中国は国際化の遅れが足を引っ張っている

ランキング全75校の中で、最多選出となったのは22校が選ばれた中国だ。しかし人口規模からランクイン比率を割りだすと、対象国9カ国中、8番目とあまり振るわなかったことがわかる。

中国で最高評価を受けたのは清華大学(13位)、北京大学(16位)と合わせて2校のみが、かろうじてトップ20入りするに留まった。

中国の大学が革命という点で、大きく出遅れている原因の一つは、国際化が進んでいないことがある。

日本や韓国、シンガポールなどの大学が、積極的に他国の企業や研究機関と提携関係を広げ、欧米諸国でも特許出願を申請しているのに対し、中国の大学は自国内の研究という枠組みから抜けだせず、可能性を外部へ押し広げる熱意に欠けるといえる。

インド最高レベルのIITは規模の大きさが足かせ?

中国と同じく国の規模では、日本や韓国をはるかに上回るインドも、革命的な大学の育成という点では今ひとつ。72位のインド工科大学(IIT)が最高ランクだ。

しかしIITは23の機関から構成される国立大学の総体であるため、研究機関の特定が難しい。IITデリー校やボンベイ校などを個別で評価した場合、各校の順位があがるのではないか、という指摘もある。

そのほかオーストラリアからはシドニー大学など6校、マレーシアから2校、ニュージーランドから1校が選ばれた。

QS版ランキングでは、シンガポールと中国が上位

最後に大学ランキングでは定番となっている、英大学評価機関QS(Quacquarelli Symonds)による「アジア大学世界ランキング」、2016年版と比較してみよう。

こちらでは1位がシンガポール国立大学、2位が南洋工科大学と、シンガポールが独占。3位以降は北京大学、香港大学、清華大学、香港科技大学と中国・香港勢が制し、7位に東京大学が入っているものの、8位以降はKAISTを含む韓国勢が並んでいる。

異なる機関のランキングとはいえ、研究の質などが評価項目に含まれている点に共通点は多い。ロイター版は特許や論文数に焦点を当てているのに対し、QS版は総合的な視点で外国人教員や留学生の比率も項目に入っている。

総合的な視点で見れば、“グローバルに開かれていない”という評価になるかもしれないが、日本の大学が世界にインパクトを与える研究を行っていることが、ロイター版では評価されたようだ。(ZUU online編集部)