ウェアラブル・デバイスの出荷数が2016年第2四半期、225万台(前年比26.1%増)に達したことが、最新の統計から明らかになった。

しかしサードパーティのアプリに対応していないウェアラブル(フィットネス機能に焦点を絞ったものなど)の売り上げが48.8%も伸びているのに対し、サードパーティのアプリ対応をウリにする「スマート・ウェアラブル」は27.2%落ちこんでいる。

スマートウェアラブルは「未知のもの」 Xiaomiが起爆剤に?

売り上げ促進のために各メーカーが開発した「スマート・ウェアラブル」だが、数字をみるかぎり、従来型のウェアラブルほど消費者を魅了していないようだ。

国際調査会社、IDCのリサーチマネージャー、ラモン・ラマス氏は、フィットネストラッカーなどを搭載した従来型ウェアラブルが、「手ごろな価格で機能がわかりやすい」という点で、消費者にウケていると分析。

対照的にスマートウェアラブルは、多くの消費者が様々な可能性を認識しているものの、「まだよくわからない未知のテクノロジー」と受けとめられているようだ。

要するにエクササイズや健康管理をするためにウェアラブルを購入するのであれば、「目的に見合った従来型ウェアラブルで十分」という考えが一般的なのだろう。その証拠に、第2四半期の出荷数の82.8% を従来型が独占している。

しかしスマートウェアラブル市場はまだ始まったばかりだ。今後需要に応じた方向性を明確に打ちだしていければ、従来型を超える可能性も捨てきれない。

現在最も期待できる分野として、決済機能の追加が挙げられる。スマホやタブレットによる決済率が急成長している今、大手金融機関やIT企業が競うように市場への進出を試みている。

決済機能付きのウェアラブルといえば「Apple Watch」が代表的存在だが、発売当初の熱狂ぶりは急激に失速。欧米は勿論、中国を含むアジア圏への進出を果たしているが、決済機能である「Apple Pay」自体の普及に時間を要しているため、相乗効果も鈍化している。

そんなゆっくりペースのスマートウェアラブル市場にとって、中国のウェアラブルおよびスマートフォン・メーカー、Xiaomi(小米)の決済市場進出は、強力な起爆剤になるかも知れない。

ジャンルにとらわれず多様な革命に着手しているXiaomiは、6月にウェアラブルバンド「MiBand」を、8月にNFCモバイル決済システム「Mi Pa」のサービスを開始しており、将来的には「MiBand」への決済機能追加を視野にいれていることも十分に考えられるはずだ。(ZUU online 編集部)

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