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(写真=PIXTA)

一昔前の証券会社は、銀行や保険などに比べて富裕層など限られた人だけが利用するという、ハードルの高いイメージがありました。そんなイメージが大きく変わった契機の一つが、手数料自由化です。ネット証券も次々と誕生し、制度も大きく変わりました。投資や証券会社が私たちにとっても身近なものになりつつあります。

ネット証券が今、IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)の活用に力を入れつつあります。それはなぜなのでしょうか。

証券会社は昔と比べて個人の自由度が高くなったが

今では、ネット証券で口座を作れば、自分で金融商品を選んですぐに買えます。注文もスマホでできます。情報もインターネットがあれば、早く、濃い内容のものが手に入るようになりました。しかし、すべてを自分の判断で行うことが必要になります。対面証券には営業マンがいるため、商品を紹介してくれます。自分で積極的に調べなくても、いろいろな商品について教えてもらえますし相談もできます。

ただ、証券会社が提案する商品を買った結果が良いとは限りません。ときには証券会社が売りたい商品を推奨されるということもあるでしょう。また営業マンと気が合わない、手数料が高いといった欠点もありました。ネット証券は現在IFAを導入していますが、その背景にはネット証券ならではの理由もあります。

顧客の満足度を高めたいネット証券

ネット証券の「売り」といえば、情報を大手証券会社並みに揃えているうえ、手数料が安いということでした。しかし今は大手証券会社だけではなく中堅証券会社などもネット取引を導入しており、手数料はどこの証券会社でもあまり変わらなくなってきています。

ネット取引を利用するお客さまの大半は、安い手数料を求めて証券総合口座を2、3個使い分けています。満足度が高められないと取引してもらえず、証券会社は収益を得られなくなります。いろいろな商品を揃えていても、その商品を知らないと取引につながりません。

ネット証券は手数料を安くしている分、多くの人に取引をしてもらわないと収益があがりにくい構造になっています。このため、利用満足度を高め、固定客をつくることが必要になります。

証券会社と利用者のギャップが広がってきた

ネット証券の手数料の安さだけでは顧客が満足しなくなってきた背景には、3つの『ない』があります。

・ 金融商品をどのように運用していいかわからない
・ 自分の知っている商品しか取引をしない
・ 自由度が高い分、興味はあるけれど気軽に聞ける相談者がいない

ネット証券は、いろいろな顧客に対応するため商品のラインアップに力を入れるほど、利用が限られたり、不安や悩みが見えづらくなったりしています。