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(写真=PIXTA)

日本では晩婚化が進み、少子高齢化や人口減少が問題だと叫ばれています。出生率が低下する一方で、平均寿命が伸びた結果、ペットを自分の子ども代わりに飼うという人の割合が増えたこともあり、昨今は「空前のペットブーム」となっています。

あるペット保険会社の調査によれば、2008年の犬・猫の飼育頭数は2,500万頭を超え、65歳以上の人口に迫る勢いで、増加の一途をたどっていることが明らかになりました。少し前までは賃貸物件でペットを飼うのは難しいとされていましたが、その状況は一変しています。不動産投資家にとって、ペット可賃貸物件の詳細を知ることは、今後の投資を考えるうえで非常に重要です。

ペット可物件は一般の物件より家賃が高いのは本当?

不動産物件を検索していると、一般の賃貸物件と比較してペット可物件の家賃設定が高いことに気付くでしょう。例えば、東京都内や近郊のワンルームの場合、ペット可物件の家賃は相場よりも1~2割ほど高く設定されていることが多く、敷金や礼金を割り増しで請求しているケースも見られます。

家賃設定が高ければ利回りは上がります。投資家にとっては嬉しい限りですが、手放しで喜んでもいられません。ペット可物件の場合は、通常の退去時にかかる原状回復費用のほかに、ペット特有のニオイや汚れを取る脱臭費用などがかかります。これを考慮しておかないと、最終的には貸主側が損をすることにもなりかねません。また、入居中や退室時にトラブルが起こらないようにするためにも、貸主と借主の間で契約書をしっかり確認しておく必要があります。

公園、動物病院、ペットショップ、ホームセンター近くの物件は人気高し

それでは、借主とペットの両者が快適に暮らせる住まいとは、一体どのような物件なのでしょう。

まずは周辺環境です。飼い主の多くは物件選びの希望条件に、「物件周辺に信頼できる動物病院が近い」「餌やトイレグッズをすぐに購入できるよう、ホームセンターやペットショップが近くにある」「ペットを遊ばせられるドッグランが併設された公園が近い」などを挙げているようです。

部屋については、まず高層階よりは低層階が好まれるようです。これは、バルコニーなどから落下する可能性があるからでしょう。また、床の素材は、張替え価格が安く済む「畳」が人気です。フローリングだとペットが傷付けてしまう恐れがあり、敷金に上乗せして多額の原状回復費用を請求されることも考えられます。また、壁や床の傷が目立ちやすい新築物件は避けられる傾向にあります。

さらにペットを飼うとなると、キャリーバッグやカート、餌、ペットシーツなど、日用品以外のかさばるグッズが増えるため、収納場所がきちんと確保できる部屋かどうかも、物件を選ぶ決め手になります。

間取りも重要です。ペットの居場所から玄関まで何もさえぎるものがなく一直線の場合、ドアが開いた途端にペットが逃走する恐れがあり、ペットと暮らすには不向きと言えます。またペットの溺死を防ぐためにも、お風呂場には窓や換気機能を備え、お風呂場とリビングは扉で区切るなど、ペットが水回りに安易に入ることができない造りでなくてはなりません。

さらに、人や他のペットとすれ違う際のトラブル防止のため、共用廊下やエレベーター前が広い物件や、共用部にペット専用足洗い場を設けてある物件も人気です。