ブレークの1994年、日本の状況は?

イチロー選手が野球人としてブレークを果たした1994年は、日本の経済状況や世の中の社会事情もめまぐるしい変化の年だったようだ。

株価とドル円為替には強い相関関係があると言われており、円安が進めば日本の企業は業績を上げやすく、株価上昇の後押しをする傾向が強い。

しかし1994年は、史上初めてドル円為替が100円を割り込む円高の事態となった。しばらく100円前後で展開が続いたが、これを発端としてついには翌年1ドル79円台まで高騰させてしまう。

景気の後退を主軸として、与野党入り乱れながら政治活動も大転換期を迎える。非自民連立の細川政権が総辞職した後、羽田内閣を経て自民・社会党大連立の村山内閣が発足。自民党と社会党が連立を組むことは、戦後初の出来事だった。

社会的な事件として大きな出来事だったのが、オウム真理教による松本サリン事件。戦時状態でない国において、一般市民に対して実行された初めての化学兵器によるテロ事件だった。この流れが翌年の大惨事、地下鉄サリン事件へと繋がっていく。

悪いニュースばかりではない。この年には日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんを乗せたスペースシャトルが宇宙へと打ち上げられた。また、大江健三郎氏が日本文学史上2人目となる、ノーベル文学賞を受賞している。

強い日本人を世界にアピールしてくれたイチロー選手

決して良い流れとは言えなかった1990年代の日本。経済的にも社会的にも、どちらかというと暗いニュースの方が目立っていたようにも思える。

そんな中、日本のプロ野球界で史上最高と言われる記録を打ち立て米大リーグに挑戦したイチロー選手は、私たち日本人にとって気持ちを輝かせてくれる存在となった。

現在でも、なお記録を更新し続けてくれているイチロー選手。これからも若い人から年配の人まで多くの人に、勇気を与え続ける存在であり続けるだろう。(ZUU online 編集部)

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