猛暑の夏が終わり、やっと涼しく感じられる秋がやってきた。食欲も出てついつい食べ過ぎたら運動も気になるところだが、秋の夜長をじっくりと読書の時間に充てて、自分自身の成長の糧にしてみてはどうだろう。
今回は「金融・お金」をテーマにちょっと賢くなれる初心者向け金融関連の新書を紹介する(文中の価格は税込み)。
大まかに金融全体のことを学ぶために
『知らないと損する 池上彰のお金の学校』(池上彰、朝日新書、821円)
著者は、もはや日本で知らない人はいないのではないかというジャーナリストの池上彰氏。テレビや新聞でもおなじみだが、難しい事をわかりやすく伝えるということがいかに大切かという意識を植え付けることを社会現象にまでしてしまった人である。
金融の専門家ではないが、取り上げている内容は、日ごろ私達が疑問に感じていることが多くあり、その疑問をわかりやすく解説してくれている。内容は、お金に関する事から、銀行、金融商品、保険、税金など多岐にわたるため、専門的な内容までは掘り下げていけないが、広く浅くざっと理解をしたいときに読む本。
もう少し「金融」「ファイナンス」を専門的に学ぶ
『これでわかった! ファイナンス お金に関する基礎知識から、最新の金融理論まで』(永野良佑、PHPビジネス新書、864円)
元外資系金融機関で金融商品の開発に従事していた著者は、現在はフリーの金融アナリストとしてセミナー講師などで活躍している。金融の専門家として、金融関連の教材、セミナー、書籍なども数多く上梓しており、その中の一冊。
この本は、「オカネ」に関する知識がほしい人に対して、金融の専門家ならではの視点で、金融の様々な商品や仕組みについて説明している。
「金融とはなにか?」から始まって、取引所と証券会社の違い、株式や国債などの聞いたことがある金融商品の説明から、FX、デリバティブ関連までと幅広い。
外資系金融機関でデリバティブ(派生商品)の開発に携わっていたということもあり、デリバティブ取引にも詳しい著者が、従来の金融商品から、今後台頭してくる新しい金融商品などの説明をしており、旧から新へと最新の金融情報をキャッチアップすることができる。
金融のプロではない人からみた投資の考え方を知る
『臆病者のための株入門』(橘玲著、文春新書、810円
著者は、金融小説『マネーロンダリング』でも知られる人気作家。その著者が、実際にあった投資家などの話を交えながら、株に投資すること、株で儲けるということの意味や投資について解説している本。
2006年に発行されているので、取り扱っている話題が多少古いが、その後に起こったリーマンショックなども考えながら読むと面白い。
投資のプロではない目線で、投資について語っている点が、金融の専門家とは違った観点での意見を聞くことができる本。
やっぱり投資は面倒と思うなら
『ものぐさ投資術 「定額積み立て分散投資」入門』(朝倉智也、PHPビジネス新書、918円)
モーニングスターの朝倉智也社長による一冊。同社は投資信託の評価機関としても知られており、年に1回のファンドオブザイヤーでは、優れた運用実績とマネジメントに定評ある投資信託を選んで表彰もしている。
投資信託を評価している投資信託のプロ。そのプロが投資を面倒と思う人向けに書いた本だけあって、徹底的に手間、ヒマをかけない投資方法にこだわっている。
経済を学んで、そろそろ投資の必要性が見えてきたが、投資はやっぱり面倒で不安という人には、この本を読んで、投資信託での運用を考えてみてもよいかもしれない。
社会人なら知っておきたい税の知識、知っておいて損はない
『知らないと損をする 国からもらえるお金の本』(井戸美枝著、角川SSC新書、907円)
給与から引かれる税金や保険料について、多くの会社員が知らないのではないだろうか。それは源泉徴収で税金の手続きが終わってしまうからで、わざわざ税金の事を調べなくても、少なくとも必要な手続きはやってもらえるからだ。
しかし果たしてそれでいいのだろうか? 自ら確定申告しないまでも、自分が払っている税金や保険料の額や意味は知っておくべきだろう。特に投資をしている、考えているなら、なおさらだ。
著者は社会保険労務士で、行列ができるセミナーとも言われる人気FP。人生の節目で必要になるお金、それをどこまで保障があるのかを解説している。
給付は、自動的に降りてくるということではなく、自分から申請が必要になる場合の方が多い。知っている人だけが使えるということになっていることも問題だが、その為にも知っておくべき内容のことが書かれている。日本のセーフティネットが意外に厚いということも分かる。(ZUU online 編集部)
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