7-9月期の大企業製造業業況判断DIは+6(コンセンサス+7程度)となり、4-6月期から横ばいとなった。2015年10-12月期の+12から2016年1-3月期に+6に低下した後、ほぼ横ばいの動きとなっている。

自動車、鉄鋼、電気機械の業況感が持ち直していることは、循環的なモメンタムは上向きつつあることを示してる。鉱工業生産と輸出が底割れを回避し、横ばいから持ち直しの動きを見せつつあるのと整合的な動きである。

政府の経済対策の効果次第で、持ち直し明確に

2016年度の下期の想定レートである107.4円より、円高水準にあるのが景況感の重しとなっている。一方で、景況感が横ばい圏内にとどまっていることは、100円を大きく下回るリスクは低下している、と判断されているとみられる。

10-12月期への先行きDIは+6と、まだ横ばい圏内にあり、まだ持ち直しの明確なきっかけをつかめていないことを示唆している。大企業非製造業の業況判断DIは+18(コンセンサス+18程度)と、4-6月期の+19から若干低下した。企業の雇用不足感は著しく強くなっており、失業率は3%まで低下し、雇用拡大と緩やかな賃金上昇が続いている。夏のボーナスも堅調だったようだ。2014年4月の消費税率引き上げ後の消費の停滞をようやく雇用・所得環境の好転により乗り越えようとしている。

一方、多くの台風が消費活動を下押したのが、小売をはじめとして非製造業のDIが、若干低下した理由とみられる。10-12月期への先行きDIは+16と、横ばい圏内にとどまっている。

しかし、製造業と同様に非製造業も底割れを回避し、横ばいから持ち直しのきっかけをつかもうとしている局面とみられる。政府の経済対策の効果が出てくる今後は、持ち直しが明確になってくるとみられる。