生命保険に加入する動機としてあがるのが、「社会人になったから」とか「結婚したから」というのが多い。しかし、保険のことをよく分からずに、勧められるがままに保険に加入していないだろうか。必要のない保険に加入していたり、無駄な保険料を支払っている人もいる。そこで、今回は保険に加入する際の見極めのポイントについて解説する。
保険に加入するのはなぜ?
そもそも保険は、お互いにお金を出し合い、困った人を助けようという相互扶助の理念から始まった。社会保障が充実していない時代に、家族の誰かが亡くなった場合、残された家族は路頭に迷ってしまう。そこで、地域やグループでお金を出し合い困った人が出たらそのプールされたお金を使って助けたのだ。現代の保険も基本は変わっていない。
日本では社会保障が充実しているにも関わらず、高額な保険料を支払っている人が多い。その背景には、横並び志向が強い日本の国民性が表れている。保険のセールスマンに「社会人になったら大人の責任として保険に入らないと」と言われるとみんなが入っているなら自分も保険に加入しなければと思ってしまうのである。10代から20代で死亡する確率は極めて低く、仮に死亡したとしても多額の保険金を親に残す必要性はない。
ランチ代を節約する一方で、必要性がない保険に月何万円もの保険料を支払うというのは本末転倒だ。夫が外で働き、妻は専業主婦というのが一般的だった時代と異なり、今は共働きも増え、一方が亡くなった場合には、残された方が自分の力で生活することはできる。ライフスタイルが変わったのだから保険のあり方も変えていかなければならない。
日本では、社会保障制度や保険について内容が把握できていないという点も不必要な保険に加入させられる原因になっている。「皆このような保険に入っています」と言われると「そんなものか」と納得してしまう人が多い。