「好業績銘柄」(中小型株)の投資ポイント

ここでは表1に掲載された上位5銘柄について、投資ポイントをチェックしてみたいと思います。

ニチハ(7943)・日足

ニチハ <7943> は窯業系建材大手です。9/15に17/3期の予想連結営業利益を、それまでの92億円から112億円(前期比32%増)に上方修正するなど業績は好調です。チャート的にも上昇傾向が続いており、6/24の安値を2倍にした2,742円が大きな節目になる可能性がありそうです。仕入れ先(Bloomberg調べ)のナトコ(4627)の業績も第3四半期までは好調なようです。

アルパイン(6816)・日足

アルパイン <6816> はカーナビや車載AV等の大手で、電子部品大手のアルプス電気(6770)が全体の40%を握る大株主です。今期の前提為替レートについては期初に1ドル110円、1ユーロ125円でみていましたが、円高の進行を受けて、上期は1ドル105円、1ユーロ115円に修正し、営業利益も上期予想12億円を6億円に、通期予想45億円を39億円に下方修正(7/27)しています。

株価は6/28に885円の安値を付けましたが、円高一巡もありその後は上昇しています。ただ、昨年6月の高値2,729円に対してはいまだ半値程度の水準です。IBMと組んで運転手の癖を把握するシステムを開発しており「自動運転関連」としても活躍余地があります。

イーエムシステムズ(4820)・日足

イーエムシステムズ <4820> は調剤薬局向けにデータ管理システムを提供しています。電子カルテの開発も行っています。業績は好調で、第1四半期の営業利益は5.17億円(前同期比192%増)でしたが、通期では20.5億円(前期比10.1%増)の予定であり、業績予想上方修正も可能なペースで進捗しているようです。それでいて予想PERは16倍前後と割高感に乏しい状態です。

JVCケンウッド(6632)・日足

JVCケンウッド <6632> は家電・音響の中堅企業で、ビクターとケンウッドの合併により誕生した企業です。今年度第1四半期は14億円の営業赤字で、前年同期から3億円悪化しましたが、円高の影響がなければ改善していたようです。通期では1ドル115円、1ユーロ125円の前提に変更はありませんが、これを円高方向に修正し、仮に業績予想を下方修正しても、悪材料出尽くしになる可能性がありそうです。

日本板硝子(5202)・日足

日本板硝子 <5202> は社名からはローカルな印象を受けやすいものの、実際の事業は主要拠点を28ヵ国、製品販売先として130ヵ国に展開する世界的なガラスメーカーです。建設用の比率が40%で、自動車向けが52%、高機能が8%です。また、地域別には欧州、アジア、北南米で3分の1ずつとバランスよく分散されています。

第1四半期は営業利益が71億円(前年同期比128.6%増)と改善が鮮明でした。通期では60%の営業増益を見込んでいますが、好調なスタートといえそうです。株価は英国のEU離脱を決めた国民投票(6/23)もあり、一時的に下げた局面もありますが、そこを除けば横ばいであったといえるかもしれません。しかし、逆に業績改善傾向に対しての織り込みは不十分と考えることができそうです。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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