2016年度・後半の株式相場がスタートしました。10月は下旬から3月決算銘柄の「中間決算」が本格的な発表シーズンを迎えます。株式市場の関心も、「中間決算」で好業績が期待される「好業績銘柄」に向かうと考えられます。

そうした考え方のもと、前回の「日本株投資戦略」では、「中間決算」で好業績が期待される銘柄を主力株(時価総額1千億円超)の中から抽出し、ご紹介しました。それらの銘柄は、株式市場全般が堅調なこともありますが、おおむね好調に推移しているようです。

今回の「日本株投資戦略」では、「中間決算」で好業績が期待される銘柄について、主力株以外の「中小型株」の中から抽出し、ご紹介することとしました。

上昇期待の「好業績銘柄」(中小型株)はコレ!?

さっそく「中間決算」で好業績が期待される「好業績銘柄」を、中小型株の中から抽出してみたいと思います。抽出条件は以下の通りで、その結果を表1に掲載しています。

(1)時価総額1千億円未満の上場銘柄(ここではそれらを「中小型株」と表現しています)
(2)3月決算銘柄(金融関連銘柄を除く)
(3)純利益を予想するアナリストが2人以上
(4)過去4週間で予想EPSの市場コンセンサスが増加
(5)2018/3期(来期)に営業増益が予想されている銘柄
(6)8月末以降の株価上昇率が0%超20%未満

上記の(1)~(6)をすべて満たした銘柄について、(4)の増加率が大きい順にご紹介しています。

今回の抽出条件の中でも、(4)がポイントであると考えられます。2017/3期(今期)に増益が見込める銘柄ではなく、足元でアナリストの評価が上がっている銘柄を「好業績」の条件としたことが特徴です。今期の増益率を条件とした場合は、円高が逆風となる輸出業種がはじかれてしまいやすいためです。そのため、今期に営業減益が予想されている銘柄も含まれることになりました。

なお(6)については、主力銘柄に比べて流動性が低くなる分、大きく変動しやすい銘柄が増えると考えられるため、値上がり率の上限を高めにしています。また、相場全般が堅調さを取り戻す中で、株価が下落しているのも「問題含み」である可能性があり、少しでも値上がりしていることを条件としてみました。

表1 上昇期待の「好業績銘柄」(中小型株)はコレ!?

前回の「日本株投資戦略」でもご説明したように、決算発表ではアナリストや会社側の予想した利益に対し、実績数字が上回るかどうか、会社側は業績予想を修正するかどうか等が大きなポイントになります。

発表した利益数値等がアナリストまたは会社予想を上回り、さらに会社側の業績予想上方修正があれば、株価が上昇する可能性が膨らみます。逆に、利益数値等がアナリストまたは会社予想を下回り、さらに会社側の業績予想下方修正があった場合、株価は下落する可能性が大きくなります。

決算発表を前にして、日本経済新聞等から、企業業績に関する観測記事が出るケースが増えてきます。そうした掲載記事から業績の変動を織り込む形で株価が変動するケースもあるので注意が必要です。そして、投資を検討またはすでに保有している銘柄の業績変動に備えるべく、少なくともそうした銘柄の決算発表日についてはチェックしておくことをお勧めしたいと思います。