一方で大きな失敗事例も

こうした成功事例とは裏腹に、大きな失敗事例も存在する。例えば丸紅が米穀物大手ガビロンを買収し、その後経営不振に陥ったケースだ。丸紅は2015年3月の連結決算で1200億円の減損損失を計上した。これはガビロンの中国ビジネス不振が影響した。中国向け大豆輸出で首位の丸紅が、ガビロンを買収することで、中国では寡占化が進むことをおそれて厳しい義務が課せられることになった。これにより事業環境は非常に厳しくなり、買収した価値が損なわれてしまったのだ。カントリーリスクに対する読みが甘かったケースといえる。

このように、海外への進出はその国のリスクが存在する。また、虚偽の財務報告など見破ることができず、失敗に終わるケースも存在する。

こうしたことから、M&Aを行う上では戦略的にフィットする企業や事業に的を絞ることが重要なのだ。そして、あらゆるリスクに対応可能かどうか、潜在的なリスクにはどのようなものがあるのか、しっかり見定めることも必要だ。M&A後の従業員等に対するフォローも成功へ導くポイントといえる。事前と事後のフォロー、見積もりがどの程度できるかが、成功と失敗の分かれ道ともいえよう。(提供: M&Aアドバイザーズ

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