今年1月、中国市場制覇を目指すスターバックスの5年間2000店舗開設計画について報じられたが、ハワード・シュルツCEOは失速を続ける中国経済にひるむことなく、計画を続行する意思を改めて明らかにした。

一方KFCやマクドナルドなどは中国部門を分社や共同事業に切り替えることで、事業縮小とも拡大ともとれる動きを見せている。

2021年までに1日1.09店舗開店 シュルツCEO「世界一の市場になる」

1999年の第1号店開店からスターバック人気は大爆発。2015年には中国全土2000店舗にまで拡大した。シュルツCEOは「中国の将来性を確信している」というコメントとともに、2021年までに店舗数を2倍に増やすと宣言した。

5年間で2000店舗というと、単純計算した場合1日1.09店舗開店することになる。莫大な債務総額でバブル崩壊の秒読みにはいったと警戒されている中国で、これほどまでに大胆な事業拡大を継続する勝算はあるのだろうか。

米メディアの取材に応じたシュルツCEOは、設立当時からのスターバックの信念である長期戦略に基づき、「いずれ中国はスターバックスにとって、世界一の市場となるだろう」と主張している。

「中国では絶対に成功できない」という周囲からのネガティブな予想や、実際従業員の育成などへの投資が大きく、第1号開店後何年間も利益が創出できなかった過去を振り返りつつも、将来の可能性に賭ける意気込みの方がはるかに勝っているのは明らかだ。

シュルツCEOの期待とは裏腹に、第3四半期報告では昨年までの爆発的な中国スタバ人気には若干かげりが見ている。売上高成長率はウォールストリートの予想を1.6ポイント下回る3%。国際的なスケールでも1.7ポイント下回る4%にとどまっており、過去4年間で最低水準だ。

スターバックス自体の勢いがおちている感の強い今、経済基盤に地雷を埋めこんだ中国で5年間店舗拡大計画がどこまで効果を成すのかという点に、不安を感じざるを得ない。

同じく中国進出を果たし順調に売上を伸ばしていたKFCやマクドナルドなどは、ここにきて方向転換を図っているようだ。KFCは中国部門を分社し、マクドナルドはフランチャイズ店の売却先を物色しているという。どの戦略が現在、そして今後の中国飲食市場で生き残れるのか、今後の行方に注目したい。(ZUU online 編集部)

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