マクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行ったスポーツに関する調査で、好きなスポーツ選手は13年連続でイチロー選手が1位。2位はテニスの錦織選手であること、プロ野球ファン人口は2747万人に減少、サッカー日本代表のファンも3017万人で減少傾向が続いていること。そして今年行われたリオオリンピックで一番印象に残った競技は「体操」−−などの事実が判明した。
この「2016年スポーツマーケティング基礎調査による共同調査」は、両社が全国の15歳(中学生除く)から69歳を対象に実施。9月16日から9月19日の4日間で、男女各1000人の計2000人から回答を得た。この調査は2004年から始まっており、今回で13回目という。
最も好きなスポーツは野球、続いてサッカー・テニスの人気が上昇
いくつかの項目について詳しくみていこう。最も好きなスポーツについてのアンケートに対しては 、スポーツマーケティング基礎調査が始まって以来13年連続で野球が1位だが、2位サッカーとのポイント差は小さくなっている。
少しずつ人気が上昇してきている3位のテニスに関しては、リオ五輪でも感動的な活躍を見せた錦織圭選手の影響が強いことは間違いないと言えるだろう。さらに、他の若手選手の活躍も報道されることが多くなってきた。
一方、野球に関しては、イチロー選手や田中将大投手、ダルビッシュ有投手、前田健太投手などメジャー選手の活躍に注目が集まるも、国内リーグで大きく取り上げられているのは日本ハムの大谷翔平投手・ヤクルトスワローズの山田哲人選手など限られた範囲となっている印象が強い。
テレビでも盛り上がりを見せたリオ五輪や、今後さまざまな場面で世界的な活発化が予想される東京五輪など、世間的には日本のスポーツ界に対し、世界で勝てるレベルの活躍を求めている状況なのかもしれない。
好きなスポーツ選手1位はイチロー選手、2位の錦織選手も追い上げ
子供から大人まで、あらゆる年齢層から多くの支持を得ているイチロー選手が、スポーツマーケティング基礎調査が始まって以来13年連続で好きなスポーツ選手の 1 位となった。彼の活躍は、もはや日本人の精神的な支柱になっているとさえ言えそうだ。
リオ五輪関連では、メダル獲得を果たしたテニスの錦織選手・体操の内村選手が大きく支持を伸ばしている。フィギュアスケートの国際大会で活躍している浅田選手・羽生選手も、毎年のように上位に入っている。
このような選手達に一様に言えることは、明確なゴール設定のもと戦略をしっかりと立て、結果を確実に出していることだ。その中でスター選手としてのパーソナルブランディングを見事に成功させている。
通常のビジネス活動でもそうだが、これからはスポーツ選手もパーソナルブランディングをどのように展開・強化するかが、人気・実力ともに息の長い選手として生き残るための鍵になるのではないだろうか。
子供が行うスポーツ活動一番人気は水泳、続いてサッカー・体操と続く
水泳は全身運動のため心肺能力が高まり、手足を大きな動きと繊細な動きを用いて器用に動かさなくてはいけないことから、筋力も高めやすい側面がある。
調査によると、子供が定期的に行うスポーツとしては水泳が最も多い。これは子供が自ら率先して行いたいと考えるのではなく、親が子供の身体能力を十分に発達させたいと希望することが根本的な理由として多いのではないだろうか。
身体能力の発達に関しては、体操も同様のことが言える。早いうちからバランス感覚や関節の柔軟性を高めることにより、どのようなスポーツでも通用する体づくりをしておこうという考えだ。
サッカーに関しては、ワールドカップというスポーツ界でも最も大きな舞台の一つで日本代表として活躍できること、ヨーロッパや南米など世界的なスター選手が所属するクラブに入ることなどを目標とできることが人気の秘訣になっていると言える。
東京オリンピックの聖火ランナーは?
4年後の東京オリンピックについての質問では、聖火ランナーとして適任なのはマラソン金メダリストの高橋尚子さんだった。続いて北島康介選手、澤穂希さんなどとなった。
一番期待している競技(複数回答)では、「開会式/閉会式」が38.9%の支持を得てほかの競技を制した。続いたのは体操競技(35.3%)、陸上競技(27.8%)、卓球(27.4%)などだった。
強くなることや勝つことなど結果が求められている
日本のスポーツ人気が陰りを見せている理由の一つに、世界のレベルから取り残されつつあるスポーツがだんだんと増えてきていることが挙げられるのではないだろうか。
他の国では、国威発揚のためであったり家族の生活のためにスポーツで強くなる・勝つことを貪欲に追及する選手が多い。そのような選手を命がけで応援するサポーターも少なくない。
今、日本のスポーツ界に求められているのは、底から湧き上がるようなハングリー精神と、それに伴い成果として現れる勝利という結果だと言える。その過程から生まれる感動は、人がスポーツの魅力に取りつかれる十分な理由となり得るだろう。(藤瀬雄介、スポーツ・ヘルスケアライター)
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