2017年8月期の営業利益予想は38%増を見込む
ちなみに、10月13日発表の前2016年8月期の実績決算は、営業利益が1273億円の23%減で着地し、2期ぶりの減益決算だった。
同時に、2009年に発表した中期経営計画の「2020年に売り上げ5兆円、経常利益1兆円を目指す」を「売上3兆円、営業利益率15%」に下方修正している。ファストリの場合、営業利益と経常利益はあまり変わらないので、営業利益率15%は経常利益で約4500億円相当となる。1兆円予想を4500億円まで引き下げたことに等しい。
ところが、またしても翌日のファストリの株価はポジティブに反応した。前日比で5%高の3万4800円まで上昇したのである。
実績は大幅減益ではあるが、第3四半期時点の予想1200億円を上回って着地したこと、通期の営業利益は23%の減益だったが、下期6カ月間だけをみると94%増と大幅な増益に転じたことが評価されたのだ。国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業において、下期から売上が回復したことに加え、経費削減の効果が効き始めたとみられる。
国内ユニクロ事業の回復を背景に、2017年8月期の営業利益予想は1750億円と、前期比38%の増益を見込んでいる。
26週移動平均線も上昇に転じる
ファストリの株価は7月15日にストップ高をつけたあとも堅調だ。8月9日には3万8250円の高値を記録したが、これは第3四半期決算発表の7月14日引け値から3週間程度で38%の上昇である。その後9月21日に3万1010円まで下げたもののまた切り返し、10月25日には3万6940円まで戻している。
株価の長期トレンドの手掛かりとなる26週移動平均線も、2016年8月には1年ぶりに上昇に転じた。ファストリを見ると、株価は会社の状況を織り込みながら変動することが良く分かる。引き続き同社の動きに注目したい。(ZUU online 編集部)
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