「お金で幸せは買えるのか」という人類の永遠のテーマに関する見解は、「ある程度は買える」というものから「経済力と幸福感は直結していない」というものまで実にさまざまだ。

最近の欧米一流大学による調査からは「自分の人格に見合った消費をしている人の幸福度が最も高い」という興味深いものや、「幸福度を感じるDNAによって決まる」との医学的意見も飛びだしている。

2633億円を手にいれても「最高に孤独」の大富豪も

英ケンブリッジ大学が今年発表した調査では、半年間にわたり625人の英消費者による8万件の銀行決済取引を監視し、これらの消費者を「5因子モデル(5つの特性によって個人の性格をおおまかに振りわける手法)」で特性化するというユニークな手法が用いられた。
消費者への幸福度サーベイ結果と金銭の動きを照合しながら、カテゴリー別(開放性・外向性・同調性・勤勉性・情緒不安定性)の結果を見ていくと、例えば開放型の消費者は美容やエンターテイメントに散財することで幸福感を得ているのに対し、協調型は慈善団体へに寄付やペットにお金をかけることで癒しを得ている。つまり「自分の好きなことにお金を使っている人ほど、幸福度が高い」ということだ。

一方米ミシガン大学やプリンストン大学は異なる所得層の幸福度の測定にチャレンジ。その結果「幸福度と所得は比例しない」という結論に達している。また大人気ゲーム「マインクラフト」を開発したマルクス・パーション氏が、Microsoftと25億ドル(約2632億7500万円)の契約にこぎつけた夜、セレブの集まる豪勢なパーティー会場から「かつてないほどの孤独を感じている」とTweetした話は有名だ。

カリフォルニア大学心理学部ソニア・リュボミースキー教授は、幸福度DNA論の支持者だ。生まれもったDNAによって幸福を感じるレベルは個人差があるため、似たような境遇で生活をしていても幸福と感じる人と不幸と感じる人にわかれるという。

リュボミースキー教授の見解では、幸福度DNAが占める割合は50%で、自分が楽しめる趣味や活動が40%。経済力を含めた生活環境による幸福度への影響はわずか10%。つまり「お金で幸せは最高10%しか買えない」ということになる。

これらの調査結果を総合的に見るかぎり、幸福を得るには大富豪になる必要はないが、ある程度自分の好きなことをして好きなものを買える経済力は必須のようだ。「ある程度の幸せはお金で買える」ということだろうか。(ZUU online 編集部)

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