住宅ローン,頭金,繰り上げ返済,諸経費
(写真=PIXTA)

住宅ローンに必要なのは金利だけではなく頭金やそれ以外の諸費用も必要になってくる。頭金ゼロ円で住宅ローンの借り入れできるプランもある。しかしそのような場合でも、諸費用を念頭にいれていないと予算オーバーとなり、住宅ローンを借りすぎてしまうこともあるだろう。

突然数十万円の現金を用意しなくてはならない状況になり、慌てて走り回ることもあるかもしれない。思った以上に貯金が減ってしまって他のライフイベントに支障が出てくることや、不安を抱えたまま新しいマイホームでの生活をスタートするということにもなりかねない。このように考えてもみなかった事態にならないように、住宅ローンには諸費用が必要であることを常に意識していたい。


住宅ローンの諸費用は合計でいくら?

住宅ローンの諸費用にはどのようなものがあるのだろうか。主なものには、事務手数料、登記費用、収入印紙、保証料、適合証明書費用、つなぎ融資、団体信用生命保険料、火災保険料などがあげられる。

では、諸費用はどの程度かかるのだろうか。例えば、3000万円の住宅ローンの場合には80万円〜100万円程度かかると考えておいてよいだろう。上記項目は全て必要なのではなく、必要のないものもある。事務手数料が無料であれば保証料がその分高くなったり、保証料や団体信用生命保険料が無料で事務手数料が高かったりということもある。

そのあたりは申し込む金融機関の住宅ローンによって変わってくる。これらの項目は金利ともみ密接に関わってくるので、表面金利に騙されることなく、これらを合わせて実際の支払い総額がいくらなのかを確認すると良いだろう。

頭金はいくら貯金すればいいのか

住宅ローンは競争が激しく、頭金が必要のないプランも登場しているがやはり住宅ローンを借り入れする時には頭金があるかないかで優遇金利が変わってくものもあるので、頭金を用意しておいた方が良い。

一般に言われているのは購入住宅価格の2割程度だとされている。例えば、3000万円の住宅ローンを全期間固定金利2%、35年で返済する場合、頭金なしのプランだと毎月の支払額は9万3782円。

諸経費を考えない支払い総額は4173万8968円となる。もし2割の頭金を用意することができれば、借り入れは2400万円となる。毎月の支払額は7万9503円となりひと月2万円弱の違いが出てくる。

そればかりか、支払い総額は3339万0992円となり、約835万円の違いとなる。600万円の頭金準備で800万円の違いが出てくるわけなのでいかに頭金が重要なのかがわかる。

頭金が用意できるかどうかは、住宅ローン審査にも関係してくる。頭金ゼロのプランや諸費用を合わせた融資してくれるプランも存在するが結局は審査が通るかどうかが問題になってくる。仮に審査が通ったとしても、貯金もない状態で住宅ローンの借り入れをしてしまうと、返済負担は大きくなり、身の丈以上の物件を購入するリスクもある。20年、30年返済が続く住宅ローンは将来何があるかわからないため慎重に考える必要があるだろう。

住宅ローン借りるなら考えておきたい返済計画

住宅メーカーに進められるままに住宅ローンの借り入れ可能限度いっぱいの住宅を購入すると、後々支払いが苦しくなると言われている。年収の5倍程度が借り入れ限度額だと言われているが、大きな買い物でもある住宅はこだわりたいポイントも多くなり、無理をしがちだ。

住宅メーカーは家を引き渡してしまえば金融機関から代金を回収できるので、その後のお客が支払いに苦しんでも知らないというところもあるだろう。住宅ローンで破綻しないように、返済計画は借り入れをする前にしっかりと立てておきたい。住宅ローンの借り入れには「返済負担率」という言葉が出てくる。これは年収に占める年間返済額の割合である。年収別の返済負担率は下記の通りである。

年収が300万円以下であれば、返済負担率は25%以内、300万円超400万円以下であれば30%以内、400万円超700万円以下であれば35%以内、700万円超であれば40%以内となっている。

例えば、年収450円であれば返済負担率は35%以内となり、限度額いっぱいに借り入れすると月々の返済額は13万円である。年収450万円とすると手取りは年間360万円程度。月30万円から13万円を差し引くと17万円となる。

実際には駐車場代、修繕費積立、固定資産税などが加わることを考えると、限度額いっぱい借り入れを行うと苦労することがわかるだろう。現在の家賃に8万円から9万円支払っているなら、それをベースに6万円から7万円で2万円程度のゆとりのある返済計画を立てることが破綻しないコツだ。

住宅ローンの繰り上げ返済はどのタイミング?

頭金が予定通りに用意できなかったが、住宅購入のタイミングが来てしまうということもあるだろう。子供の入学や転勤の時期、ローン開始年齢や完済年齢との兼ね合いなど、頭金が貯まるまで待っていると他のライフイベントと重なり余計に購入しにくくなるような場合だ。

その場合は、住宅ローンの支払い開始から数年後に繰り上げ返済をすることで頭金を用意したのと同じような効果が得られる。ローン初期の繰り上げ返済は元金を減らすことができ、元金にかかる予定だった利息も削減できるので、総支払い額から繰り上げ返済用に用意した金額以上の削減も可能になる場合がある。

繰り上げ返済には毎年50万円ずつ返済したり、3年ごとに100万円や200万円のまとまった金額を返済したり、毎月1万円や2万円上乗せして返済する方法がある。繰り上げ返済すると手持ちの貯金が少なくなるので、生活パターンやライフイベントを考慮しバランスをとりながら上手に活用したい。

繰り上げ返済の金額はどの程度が適切か

住宅ローンは同じ金額であったとしても返済期間が短ければ毎月の支払いは高くなり、負担が重くなる。そこで、支払い期間を長くし、毎月の支払いを軽くするのが普通だが、当然支払い期間が長いとその分支払う利息も増え返済総額は増える。

例えば、借り入れ金額3000万円、金利2%だった場合、20年の返済であれば月々の返済は15万2000円で総返済額は3648万円。これが35年の返済になると月々の返済は10万円と抑えられるが総返済額が4182万円と534万円高くなることになる。

そこで、ローンの支払いが始まってからでも総支払額を圧縮できる方法が繰り上げ返済だ。方法としては、数年に一度100万円や200万円繰上げ返済する方法と、数十万を毎年繰り上げ返済する方法や住宅ローンの支払い開始3年後から今までの支払いにプラスして毎月1万円ずつ繰り上げる方法など様々なものがある。

繰り上げ返済すること、支払い期間を短縮することに重きを置きすぎると、貯蓄に回す必要のある余剰金まで繰り上げ返済に使うことにもなりかねない。そうなると予測していなかった大きな出費に対応できなかったり、、繰り上げ返済をしながらローンで自動車を購入し別の金利がかかってしまったり、ということにもなりかねないので、繰り上げ返済と貯蓄の適切なバランスを保つようにしたい。

頭金ゼロで住宅ローンの借り入れはできるようになったが、利用できたとしても頭金を準備したり、繰り上げ返済を活用して総返済額を削減したり、返済期間を短縮したほうがメリットのあることがわかる。限度額いっぱいに借り入れをしているなら、予測できないことが起きた時に破綻してしまいかねないので、少し余裕を考えた返済計画を立て、将来のリスクに備えるのが良いだろう。