住宅ローンを繰り上げ返済するとお得になるといわれて久しい。ネット上にはさまざまなシミュレーションサイトが存在する。ただしサイトによっては自分の知りたい情報と合わない場合もある。数多くのサイトから自分に合った情報をうまく活用しよう。

シミュレーションサイトは多数存在

住宅ローン,繰り上げ返済
(画像=PIXTA)

バブルの崩壊以降、家計のスリム化に住宅ローンの繰り上げ返済が有効と言われ続けてきた。とはいえ、2000年代初頭には、シミュレーションは金融機関の店頭で行員に依頼したり、ローンを組んだ際に渡された紙の返済明細を見ながら電卓で計算したりしていたものだ。

現在はネット社会が進展し、さまざまなサイトでいくらの金額をどのように繰り上げ返済すればどれだけお得になるのか何通りものシミュレーションが自分で簡単にできる。民間の金融機関はもちろん、不動産関係のサイト、金融広報中央委員会などの公的機関などのものがある。

こういった数値のシミュレーションは便利ではあるが、サイトや入力項目が多すぎて複雑になっている側面はある。

個人の情報を詳しく入力すると詳細なシミュレーションが簡単にできるが、あまり詳しくなりすぎると、個人が入力するのも結果を読み解くのも負担となる。あえて入力項目を少なくし、シミュレーション結果も簡潔にしているサイトもあるが、それでは欲しい情報が足りない場合もある。

シミュレーションサイトが多いからこそ、活用する側の事前の知識も要求されるのだ。

シミュレーションサイト利用時に事前に準備しておくこと

多くのサイトで入力が必要となるのは、当初の借入金額(ボーナス分があればボーナス分)、借入期間、借入金利の3つだ。手元に情報がそろっているか確認しよう。もちろん繰り上げ返済しようとする金額も入力する。

ほかに現在のローンの返済方式や繰り上げ返済の方式を入力画面で問われることも多い。

返済方式には、元利均等返済と元金均等返済の2種類がある。ローンの返済は元金と利息とを併せた額を毎回返済していく。その元金と利息の合計である毎回返済額を一定にしたものを元利均等返済といい、毎回返済額の元金部分を一定とするものを元金均等返済という。

元利均等返済には、毎月の返済額が一定なので返済計画が立てやすいこと、元金均等返済よりも返済開始時の返済額が少ないなどのメリットがある。総返済額が元金均等返済より大きくなるというデメリットはあるが、メリットを重視して元利均等返済が利用されることが多い。

元利均等返済が一般的なので、意識して選んだ記憶がない人もいるかもしれない。毎回の返済額に変化がないなら、元利均等返済で返済中と考えてよい。

元利均等返済が多いので、繰り上げ返済のシミュレーションサイトでもこれを前提に設定していることが多い。入力画面で選択肢があっても最初はこちらで設定されていることがある。また、入力画面に選択肢はなく、元利均等返済のみのシミュレーションを行うサイトもある。

一方、元金均等返済は、返済額の元金部分が一定でその残高に応じた利息を払う。したがって、返済初期は、元金残高が高いため利息も多額で毎回の返済額(元金+利息)も大きい。しかし、元金の残高が小さくなっていくので、回数を追うにつれて利息分の金額が少なくなっていき、返済額は減っていく。

総返済額が少なくて済むメリットはあるが、返済が始まったころの返済額が大きくて負担であることや、ローンの審査が厳しいなどのデメリットがあり、あまり一般的ではない。

シミュレーションサイトでも元利均等返済を前提としているところが多いので、元金均等返済なら、それに対応したシミュレーション結果が出るようサイト選びや入力に注意が必要だ。

繰り上げ返済の基礎知識

先に述べたように、資金を借りたら利息を付けて返済する。利息は元金に利率を掛けたものだ。そして長期間になればなるほど返済する利息は多くなる。

住宅ローンの代表格である住宅金融支援機構の「フラット35」を例にあげよう。2018年7月現在の金利はほぼ年1.34%だ(金利は受け付ける金融機関が決定するが、最頻値を住宅金融支援機構の「フラット35」のサイトで知ることができる)。これで試算すると、3000万円を年1.34%固定金利・元利均等返済で35年借り入れた場合の総返済額は3760万円だ。つまり760万円の利息を付けて返済していることになる。

利息は、借りた元金に金利を乗じて計算されるものなので、元金の残高が少なくなれば支払うべき利息が減る。通常の返済は利息も含んでいるが、繰り上げ返済は元金を直接減らす返済だ。そのため、元金が減る分、利息の負担が減ってお得となる。

ただし、繰り上げ返済には金融機関によって手数料を取るところもある。1回あたり無料というところもあれば、数万円というところもある。また、金融機関等によっては繰上返済金額を10万円以上や100万円以上でしか受け付けないところもある。このような事務手続きについても押さえておこう。