住宅ローン,借り換え
(写真=PIXTA)

住宅ローンの繰り上げ返済は、無理なく貯蓄等も考えながら行うことが大切だ。 では、具体的には、どのようなタイミングが繰り上げ返済に適しており、繰り上げ返済を見送った方がよいのはどのようなタイミングなのだろう? 第6回では、繰り上げ返済の適切なタイミングについて説明していく。

目次

  1. 繰上げ返済には数種類ある
  2. 様子見したいタイミング
    1. 変動金利や期間選択型固定金利では「様子見」も
  3. ライフプランも考慮しよう
    1. これから教育費のピークを迎える家庭の繰り上げ返済
    2. 子供が独り立ちし、定年まで10年程度の家庭の繰上げ返済

繰上げ返済には数種類ある

繰上げ返済には、全額繰上げ返済と一部繰上げ返済がある。全部繰上げ返済はローンが完済されるため、それ以後の返済計画はない。ここでは、繰上げ返済後も住宅ローンが残る、一部繰上げ返済について見ていこう。

一部繰上げ返済には、期間短縮型と、返済額軽減型の2種類がある。総返済額を抑えるならば期間短縮型のほうが有利だが、もし家計が苦しいのであれば、月々の返済額が少なくなったほうがメリットは大きい。現在返済が苦しく、今後も改善の見込がない場合は返済額軽減型を選択することとなるが、そうでない場合は2つの返済方法を比較検討することになる。

様子見したいタイミング

一部繰上げ返済には2種類あるが、それとは別に「繰上げ返済をしない」という選択もあり得る。一体どんな時だろうか?

変動金利や期間選択型固定金利では「様子見」も

変動金利や期間選択型固定金は、金利が上昇すると返済額が上がるため、金利上昇のタイミングで繰り上げ返済を行うと節約効果が高い。逆にいうと、金利が下がる時期は、わざわざ繰り上げするメリットが小さくなる。超低金利時にも、返済を待ったほうがいいかもしれない。

2018年11月現在、変動金利はネット銀行では0.5%弱、大手銀行でも0.6%弱まで下がっている。日本の景気はまだ回復しそうにないし、日銀もしばらくは現在の政策を続けるとしている。そのためすぐに金利が急上昇することも考えにくい。

すぐに金利が上がらず、返済額にも余裕があるならば、繰上げ返済を急ぐ必要性は低く、貯まった資金を学費に回したり、余裕資金として貯蓄したり、もしくは運用に回すのも1つの手だ。特に資産運用にて住宅ローン金利以上の運用益を上げられれば、繰上げ返済をしないデメリットを上回るリターンが手に入る。

ライフプランも考慮しよう