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(写真=PIXTA)

LGBTメディア「LGBTマーケティングラボ」の行った調査で、採用面接の現場でLGBTであるとカミングアウトされた経験のある人事担当者は、約2割いることが分かった。

2016年9月5日~10月4日に「採用面接におけるLGBT」をテーマに行われたもので、調査対象となったのは現役企業人事180人。調査方法はインターネット。採用面接時にLGBTであることをカミングアウトされた経験やその対応、また、カミングアウトに関する意識について、人事担当者の本音がうかがえる結果となっている。

LGBTとはレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を組み合わせた単語で、日本では1990年代くらいから使われ始めたとされている。

約2割がカミングアウトを受けた経験あり

冒頭に紹介したのは、「今まで採用面接時にカミングアウトを受けたことはありますか?」という質問への回答結果だ。「Yes」が17.2%、「No」が82.8%で、約2割の担当者がカミングアウトを受けた経験をもつことが分かった。

また「Yes」と答えた担当者に「今まで何人にカミングアウトされたことがありますか?」とたずねたところ、「1人」71%、「2人」22.6%、「3人以上」6.4%で、平均カミングアウト人数は1.35人という結果となった。

採用面接の現場ではどう対応した?

カミングアウトを受けたときの対応についてはどうだろう。「カミングアウトされたとき、どのような対応をしましたか?」の問いには、「内心びっくり。でも何事もないようにふるまった」と回答した人が25.6%で最も多かった。

続いて「事実として受け止め、特に大きな反応は示さなかった」19.3%、「無回答」16.1%、「興味があったのでいろいろと質問した」12.9%、「正直面倒くさいなと思った(カミングアウトされたくなかったな、と思った)」12.9%となっている。

実際にカミングアウトを受けた際の人事担当者の、驚きの気持ちや本音部分が垣間見える結果となった。

もしカミングアウトされたら?

これまでにカミングアウトを受けた経験のない人事担当者は、どのような印象をもっているのだろうか。

「もしカミングアウトされたら、どのような対応すると思いますか?」という問いには、「びっくりすると思うが何事もない態度をとる」の回答が49.3%と約過半数を占めた。続いて、「特になにも思わないと思う」18.9%、「面倒くさい(カミングアウトされたくなかった)と思う」7.4%、「びっくりして動揺する」6.7%、「特別扱いしてほしいの?と思ってしまう」6.7%となった。

採用面接の場でLGBTのカミングアウトを受けたことがない担当者でも、半数以上がマイナスのイメージをもっていないことがうかがえる。

「カミングアウトしてほしい」が約6割

調査対象の人事担当者全員に「LGBT当事者には採用面接の場でカミングアウトしてほしいですか?」とたずねたところ、「Yes」59.2%、「No」40.8%という回答結果となった。約6割が「カミングアウトしてほしい」と答えている。

「Yes」と回答した理由は、「自分らしく働いてもらうことが人事としての望みだから」42.8%、「最初にオープンにしてもらったほうが採用後対応しやすいから」12.6%、「セクシュアリティなんて関係ないから」6.8%となった。

一方、「No」と回答した理由は「どう対応していいかわからないから」16.5%、「採用結果に影響を与えたと考えてほしくないから」11.4%、「セクシュアリティなんて関係ないから」9.7%となっている。

「No」と答えた担当者には困惑や戸惑いも感じられるが、「Yes」と同様に「セクシュアリティなんて関係ないから」への一定数の回答があることから、LGBT自体への偏見や認識不足はそれほど大きくないとも読み取れる。

採用面接の現場はどう変化する?

2015年4月、電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)が「LGBT調査2015」の結果を発表した。調査結果によると、国内でLGBT層に該当する人は7.6%、2012年の同調査では5.2%だった。

この増加理由についてDDLは、「調査手法の変更」「社会環境の変化」「関連情報の増大によって該当者の自己認識に影響」を想定している。ようやく認識が広がってきたLGBTに関して、「社会環境の変化」や「該当者の自己認識に影響」という理由で該当者が増加するのであれば、今後ますますLGBT層の比率が上がることは十分に考えられる。

大手を中心にLGBTフレンドリーな企業が増えてはいるものの、該当者のカミングアウトについては多くの課題を残している。企業への入り口となる採用面接の現場では、これからどのような変化が起こってくるのだろうか。(ZUU online 編集部)

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