生産,景気
(写真=Thinkstock/Getty Images)

9月の鉱工業生産指数は前月比0.0%と弱かった。生産の振れはまだおさまっていないようだ。

5月は同-2.6%と、ゴールデンウィークの日並びがよく、工場が長期休暇で操業停止になったところが多かったとみられ、かなり弱かった。6月にはその反動で同+2.3%と上振れた。しかし、6月の英国のEU離脱問題での混乱があり、生産者の先行きへの不透明感が強くなり、在庫の増加に対する警戒感もあり、7月は同-0.4%と再びマイナスとなった。

生産者は慎重なまま

しかし、在庫が抑制気味の中で、グローバルに景気モメンタムは警戒されたほど弱くならなかった。実質輸出は4-6月期に前期比+1.0%、7-9月期も同+0.8%と堅調であった。そして、円高に歯止めがかかり、在庫も抑制気味であったこともあり、8月には生産は同+1.3%とリバウンドした。

しかし、生産者は強い回復にはまだ自信がなく、出荷は伸びているが、2四半期連続で在庫が減少するなど、在庫水準の引き上げには慎重なようで、9月の生産は横ばいにとどまった。とは言え、生産は1-3月期まで減少トレンドであったが、4-6月期に前期比+0.2%、7-9月は同+1.1%となり、持ち直してきている。

2017年の持ち直しの動きは小さめ?

経済産業省の生産の判断は、「一進一退だが一部に持ち直し」から「緩やかな持ち直しの動き」へ先月に上方修正されている。10月・11月の経済産業省予測指数も+2.1%・+1.1%と、電子部品の過剰見積もりの可能性があり実際にはこれよりも弱いだろうが、堅調な持ち直しの予想となっている。政府は大規模な経済対策を決定し、秋から徐々にその効果が内需に現れてくるだろう。

グローバルな景気・マーケットの不安定感を各国の政策対応で乗り越え、先進国の堅調な成長がなんとか持続している間に、その好影響が波及して新興国が減速した状態から脱していくとみられる。日本の輸出・生産の基調は強さはないが緩やかな持ち直しへ改善していくとみられ、循環的な景気回復力はより確かなものになってくるだろう。資本財(除く輸送機械)の出荷が2四半期連続で持ち直しており、設備投資関連を含め、企業活動が持ち直してきていることを示している。

2016年は不確実要素により振れた年となったが、その反動で、2017年は景気は持ち直すが動きが小さく感じられるだろう。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部 チーフエコノミスト

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