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(写真=Thinkstock/Getty Images)

日銀のマイナス金利の導入により、直接ではないにしろ私たち個人へのしわ寄せが懸念されている。直接銀行に預けているお金に利息を払う、ということはないにしろ、手数料などの部分で負担を補う銀行もある。

そんな中、外貨預金という選択肢を検討し始めている方も多いのではないだろうか。今回は、投資の一つの選択肢である外貨預金を基礎から解説していく。


外貨預金とは

外貨預金とは、一言で言えば日本円ではなく外国の通貨で預金をすることである。なぜわざわざ外国の通貨で預金する必要があるのだろうか。その答えは、「金利」と「差益」である。

銀行に預金をする場合には金利が付く。これは、そもそもの銀行の仕組みを考えればわかりやすい。銀行は、私たちのお金を運用することで経営をしている。つまり、マクロな視点で見ると私たちが銀行に預けているお金を使って、個人や企業への貸付、運用などによりお金を増やすことで、利益を生み出しているのだ。その利益の一部を金利として預金者に付与しているということになる。

その「金利」は、日本においてはないに等しい水準である。ネット銀行や定期預金などは高金利のものも存在するが、日本全体としては金利が高いとは言い難い。ところが、海外を見渡してみると、その金利が高い国が存在している。外貨で預金をするということは、その金利の恩恵を受けられるということである。

現在の日本は、まだ円高からの脱却が出来ていない。説明するまでもないが、海外旅行の際に両替をすると、少ない日本円で海外の通貨と交換できる状態と言える。円が割高になっていると言うことだ。外貨預金で海外の通貨を保有していれば、今後円安になった時に日本円に交換することで、その差で利益を生み出すことができる。これが、外貨預金の仕組みである。

外貨預金のメリット

では、外貨預金の具体的なメリットについて見ていこう。

手元に100万円の資金があるとする。日本の銀行に預けていた場合、10年後には僅かな金利分が付与されるだけである。100万円とその金利は保証されているため、銀行に行けば100万円を引き出すことができる。

しかし、10年後の100万円とは現在の100万円と同価値であるとは限らない。それは、為替の変動だけでなく、物価などの変動があれば、当然同価値とは言えないからである。今100万円で購入できるものが、10年後に同じ値段で買えるとは限らないのだ。それを「目減り」と呼ぶ。つまり、外貨預金を始めとした資産運用は、そうした「目減り」のリスクを補うものであるとも言えるのだ。

では、同じ100万円を今度は外貨預金した場合はどうだろうか。例えば現在、1米国ドルが100円だとしよう。そのまま全てを外貨、ここでは米国ドルにした場合、1万ドルを保有することになる。10年後に円安になっており、1ドル110円になっていた。その時点で日本円に戻した場合、110万円になっている。加えて、米国の方が日本に比べ高金利であるため、その分の金利も受け取ることができるのだ。

外貨預金のデメリット

では、良い面ばかりかというとそんなことはない。先の例をもう一度考えてみる。先ほど100万円を1万ドルで預金をした。その後円高が進み、気づけば10年後には1ドル90円になってしまった。その時、日本円に戻した場合90万円にしかならない。金利は付くものの、「結果としてマイナス」ということも考えられる。こうした為替変動のリスクを負う点が、外貨預金のデメリットである。

それに加えて、手数料と税金の存在も忘れてはいけない。手数料については事項で詳しく説明するが、日本円から外貨へ、外貨から日本円へ交換の際にそれぞれ為替手数料がかかる。それが、金融機関の利益となる。

うまく差益を得ることができた場合には、その利益は雑所得として課税対象となる。利益に対して、20.315%の税率がかかるため、その点も考慮する必要がある。

手数料について

外貨預金に掛かる手数料は、大きく二つである。日本円から外貨へ交換する際の為替手数料と、外貨から日本円に戻す際の為替手数料である。この手数料は、金融機関、それぞれの通貨により異なっている。店舗を持つ大手金融機関に比べネット銀行の方が、為替手数料が安い傾向にある。大きなものでは、10倍もの差が存在する。

この手数料の部分には、入念な下調べをすることをお勧めしたい。なぜなら、結果としてマイナスになってしまっては外貨預金をしたことで得をしたのは、あなたではなく銀行ということにもなりかねないからだ。それに加えて、実は金利にも大きな差がある。金利についてもネット銀行系が優位に立っていると言える。

次に、通貨ごとの手数料を少し見てみよう。FXをやっている方には、どの国の金利が高いのかというのはだいたい理解している方が多いかもしれない。こちらも金融機関には異なってはいるが、身近な国を金利の高い順に並べると概ね、ニュージーランドドル、オーストラリアドル、英ポンド、米ドル、ユーロといった具合になる。

オセアニア通貨は、金利が高いことで有名である。それ以外では、新興国である南アフリカのランドなどは、それらをはるかに上回る高金利であるが、通貨自体の安定性、安全性については他の通貨には劣るだろう。

投資初心者でも始められるか

外貨預金は、仕組みがわかりやすく投資初心者でも始めやすいものと言える。ただし、「銀行の預金だから元本保証」という常識は捨てなければならない。銀行の外貨預金は元本保証があるが、それは外貨での元本保証となる。つまり、円としてはじめに預けた金額が保証されているわけではない。

為替変動によるリスクにより、日本円での元本割れということは十分に考えられるので、十分理解していただきたい。

また、いくら仕組みが簡単であっても知識をつけることは必須である。自身が保有している外貨が、現在いくらで取引されているのか、今後どのような変動が考えられるのかは最低限、日々チェックをすることが必要だろう。

少額から始めることができるという点は、外貨預金のメリットでもあるが、どのようなリスクが考えられるのか、自身が選んだ通貨はどのような傾向があるのかといった部分は最低限知識をつけてから、始めることをお勧めしたい。加えて、為替変動要因は多岐にわたるため、世界情勢など、よりグローバルな視点で情報を集めることは欠かせない。

また、外貨定期という定期預金の商品も存在する。購入タイミングがわからない、そのような定期預金制度を利用するのも一つの手である。ドルコスト平均法という手法を用いて、リスクを軽減できる。中には、超短期の1週間という商品まで存在するので、短期での投資として利用することも可能だ。

海外に行ったことがある方であれば、外貨預金というものはイメージが持ちやすく、初めての投資としては始めやすいだろう。世界から通貨がなくなるということはまず考えられないことに加え、目に見えるお金を扱う投資としての安心感もある。

しかし、為替は思いもよらない変動を伴うことがある。最近では、Brexit(ブレグジット)により、為替相場は大きな混乱が起きた。これから外貨預金を始めようと思うのであれば、そうした世界的な出来事にも、日々関心を持っていく必要があるだろう。

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