米次期政権の財務長官候補にJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOや、ゴールドマン・サックス元幹部、スティーブン・ムニューチン氏などの名が挙がっていることが、米CNBCの報道から明らかになった。

「大手銀行の敵か味方か」と論じられてきたトランプ氏だが、ゴールドマンCEOは「強気の経済政策が市場にポジティブな影響をもたらす」と歓迎の意を示している。

ゴールドマンCEO 政策の長期的効果については確信なし

ロイター通信は、下院金融委のジェブ・ヘンサーリング委員長も有力視されていると報じている。いずれも内部の事情に詳しい関係者筋からの情報で、トランプ氏側から正式なコメントは発表されていない。

過去に何度か財務長官候補として浮上したことのあるダイモンCEOは、以前から財務長官の地位には興味がない意思を明確にしている。またトランプ氏の政治界進出に関しても、「政治経験のない実業家が大統領になれるはずがない」と一貫して否定的な態度を貫いてきた。

新政権誕生後には「世界に変化の時期が訪れている」というメモを社内にまわし、「組織リーダーが協力しあって、経済成長に貢献する手段を模索する必要がある」と、現実を受けとめながら前向きに進んでいく方向性を打ちだしている。しかしトランプ氏に対する不信感が突如消滅したというわけではないはずだ。またヘンサリング委員長は財務長官就任を否定した。

これらの事情から、選挙運動中にトランプ氏の財務責任者を務めたムニューチン氏が、現時点での最有力候補と見なされている。

ムニューチン氏がCIOなどとして17年間を過ごしたゴールドマンのロイド・ブランクファイン会長兼CEOは、トランプ政権を市場にとってポジティブなものと受けとめている数少ない金融関係者のひとりだ。

11月10日にニューヨークで開催されたカンファレンスでは、「市場の現状を考慮すると、政策が効果をあげることは間違いない」とコメント。しかし長期的な効果となるか否かについては確証がないようだ。

2014年にオバマ政権が導入した金融規制強化法「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」を廃止し、1999年に廃止された「グラス・スティーガル法」を=に代わる新たな規制を導入することで、大手金融機関の粉砕を目論むトランプ氏の政策方針に冷や汗を流している金融機関が多い。

選挙以前から予想されていたように、トランプ政権の誕生はよくも悪くもウォール街に計り知れないほどの変化をもたらすだろう。(ZUU online 編集部)

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