デッドヒートを演じた大統領選挙をそのまま反映しているかのように、2016年11月9日と10日の日経平均株価は文字通りの乱高下を見せた。円安が進行し、17日の日経平均株価は1万7862円63銭まで上昇している。ここでは「トランプ関連銘柄」として今後上昇が見込まれる日本株を列挙しておくことにしよう。

真っ先に注目される「軍需関連銘柄」

トランプ氏は選挙戦を通じて、「日本は在日米軍の駐留経費を全額負担すべきだ」という主旨の発言を繰り返してきた。無論選挙中の主張がそのまま実行されるわけではないだろうが、今後軍事面、予算面で日本政府が対応を迫られる局面も出てくるものと思われる。

防衛省との取引額が多い企業として挙げられる筆頭は、哨戒ヘリコプターを製造している三菱重工 <7011> だ。対潜戦や対水上戦、警戒・監視、輸送、救難、通信中継などを主要な任務とするSH-60Kは、旧防衛庁の時代から同社が共同で改造を進めてきたものだ。

また、潜水艦のリーディングカンパニーである川崎重工業 <7012> や、通信システムのNEC <6701> 、対戦車榴弾のコマツ <6301> 、潜水艦ソナーのOKI <6703> 、救難飛行艇の新明和工業 <7224> などの銘柄についても、軍需産業として注視しておく必要があるだろう。

「インフラ重視」の恩恵を受ける銘柄は?

トランプ氏の主張には、「インフラ重視」の姿勢が強く打ち出されている。氏は勝利宣言演説の中でも都市部のスラム改善を始め、トンネルや高速道路などのインフラを立て直すことによる雇用の拡大を強調していたが、こうした積極財政の恩恵を受ける銘柄にも注意を払っておくべきだろう。

道路や鉄道などの交通インフラについて、補修や補強を手掛けているショーボンド 1414> や、コンクリートひび割れの自動検出に関する技術開発を進めているニコン <7731> 、コロラドのスマートシティ事業にも参加しているパナソニック <6752> などには注視が必要だろう。

忘れてはならない「ロシア関連銘柄」

ロシアのプーチン大統領がトランプ氏の勝利に真っ先に祝電を送ったことからも想像できる通り、アメリカが今後親ロ路線に舵を切っていくことに間違いはなさそうだ。日本とロシアの接近についても、これまでのような牽制的な姿勢が和らぐことも予想される。

ロシア関連銘柄の筆頭は、ロシアへの国際輸送に力を入れている東海運 <9380> だ。また、ロシアに向けての家庭用ミシンの輸出に実績を持つ蛇の目ミシン工業 <6445> や、天然ガスパイプライン用塗料を納入するなどロシアに関係の深い川上塗料 <4616> 、ロシア最大の国営石油会社ロスネフチ社と探鉱の協力協定を締結している国際石油開発帝石 <1605> などの各銘柄からも目が離せない。

中長期的には「輸出関連銘柄」にも注目

現状の株価推移は別として、中長期的には「ドル安円高」の事態も踏まえておく必要がある。円高は輸出に重きを置く数多くの企業に恩恵をもたらすが、それらの中でも売上高構成比でアメリカの比重が重い銘柄については、これからの動向を注視しておいても無駄ではないはずだ。

いずれにせよ、トランプ勝利の影響がどう出てくるのかはなかなか読み辛い。今しばらくは神経を鋭敏に保つ必要に迫られそうだ。(ZUU online 編集部)

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