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(写真=PIXTA)

目次

  1. 奨学金制度は今、どうなっているのか
  2. 増え続ける奨学生、厳しい学生の懐事情
  3. 卒業後は長期にわたり返還、延滞者も
  4. 奨学金申請は誰がする?
  5. 計画的に返済できるよう、しっかりとした人生設計を

奨学金制度は今、どうなっているのか

返還不要の奨学金制度の創設を求める声が強まっている。学業に専念できる奨学金を利用する学生は年々増え続け、奨学金制度は身近なものになった。その一方、経済的に余裕がなく、返済が滞る人も多いようだ。奨学金制度の現状について紹介したい。

増え続ける奨学生、厳しい学生の懐事情

奨学金制度は、学生生活の中で着実に根付いている。独立行政法人日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査」によると、大学生(昼間部)の48.9%が、奨学金を受けている。この受給者割合は、平成14(2002)年度の31.2%から年々増え続け、平成22(2010)年度に5割を超えた。その後、若干減少したものの、半分近い学生が奨学金を受けていることに変わりはない。

その背景には、授業料の高止まりや親の年収の減少、それにともなう仕送り額の減少など、厳しい学生の懐事情がある。

同機構の奨学金制度は、無利息で貸与される第一種奨学金と、上限3%の利息がかかる第二種奨学金があり、大学、短大、高等専門学校、専修学校(専門課程)、大学院に在学する学生・生徒を対象としている。

第二種奨学金の場合を見ると、月額3万円、5万円、8万円、10万円、12万円から選択でき、奨学金を受けるためには本人の学力基準や親の収入限度額の条件がある。平成27(2015)年度に同機構の奨学金を利用した学生・生徒は132万人を超え、そのうち約3分の2の約84万人が第二種だという。

卒業後は長期にわたり返還、延滞者も