まとまった資金が必要なときはいつ?
子供の教育費は、一人あたり2000万円かかるとも、3000万円かかるともいわれている。「まともに貯蓄も増やせていないのに、どこからそんな金額が出せるのか」という気持ちになる子育て世代が多いのではないか。しかし、2000万円、3000万円というのは、子育て期間中の費用の累計なので、一度に数千万円が必要になるわけではない。
いちばん大きなお金が必要になるときは、高校を卒業して大学や専門学校に進学するときだ。ここで1度に80万~130万円程度のお金が必要になる(文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」、「私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等の調査結果について」より)。この大学進学時にむけて、どのように資金をためたらいいのか、考えてみよう。
大学生2人で月の教育費は22万円
2017年4月、わが家では1浪していた娘が何とか大学生になって、大学に通う子供が2人になった(さらにその下に中学生の末っ子がいる)。大学2年になった長男の年間授業料が144万円、今年入学した娘の年間授業料は120万円。どちらも私立文系だ。それぞれ12カ月で割ると、長男が12万円、長女が10万円の授業料で、大学の授業料だけで、わが家は月に22万円を支払っていることになる。
これは、明らかに毎月の家計の中からは捻出できないレベルの金額だ。子供を大学に行かせつつ、自分たちの生活も維持していくためには、貯蓄をしておく以外に方法はない。
大学に行くのにどのくらいお金が必要か、というと、国立大学の場合、4年間で必要な学費は約257万円。私立なら、約544万円(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」のデータより試算。それぞれ大学学部、昼間部の場合)。これ以外にも食費、住居・光熱費などの生活費も必要だ。一人暮らしをさせるのなら、学費以上に生活費がかかる場合もある。
この学費の差を見て、「うちの子は国公立に入ってもらわないと」と思う親は少なからずいるだろう。しかし、大学の在学者数で見ると、国公立大学の学生は26.3%。残りの73.7%は私立大学に在学している(文部科学省「平成30年度 学校基本調査」より)。5人に1人しか国公立に通えないのが現実だ。
自宅から通える範囲に自分が勉強したい学部・学科があり、受験に合格できそうな国公立大学があればいいが、少し遠い国公立を目指すことになると、さらに一人暮らしをさせるお金がかかってくる。そうなると、私立でも自宅から通ったほうがいいという判断にもなる場合がある。とりあえず、私立大学の教育費を目標に貯めておくと、安心できるはずだ。
「うちの子は、大学には行かず、専門学校でいいといっている」と安心してはいけない。専門学校だからといって学費が安いわけではない。だいたい入学時には大学と同じ100万円くらいの費用がかかることが多い(在学期間は2~3年と大学より短いが)。