ミレニアル世代,米国,所得
(写真=Thinkstock/Getty Images)

米消費者の経済力を調査したレポートから、非常にアンバランスな現状が浮き彫りになっている。

2009年の金融危機直後よりも雇用率が向上し、「経済的に安定している」と感じている消費者が増えているにも関わらず、個人負債や年金の積み立てに手をつける消費者も増えている。この傾向は特にミレニアル前後の世代(18歳から34歳)で強まっており、所得格差を含め、米国が直面している経済力格差問題が深刻化していることがわかる。

数か月単位の短期型マネープランが経済力低下の原因?

金融危機以降、ゆっくりと着実に経済を回復してきた米国。2012年から毎年レポートを作成している米投資家向け教育財団、FINRAのデータによると、2012年から2015年にかけての月平均雇用数は20万件。過去3年間は失業率、インフレともに最低水準を維持していた。

こうした上昇傾向をうけ、消費者間では経済的な不安感が軽減されている反面、世帯収入の中央値は伸びておらず、月々のやりくりに苦戦している消費者も多い。急な支出を余技なくされた場合、「2000ドル(約22万円)用意する自信がある」のは39%。20%は「絶対に無理」と回答している。

2009年と2015年を比較すると失業率は4%減、GDPは5.2%増。それにともない「毎月の支払をとどこおりなく行える」と感じている消費者も約3人に1人と17%増えている。しかし所得別に詳しく見てみると、そう感じているのは高所得層(年間所得7万5000ドル/約830万円以上)が中心で、低所得層(2万5000ドル/約277万円以下)の75%が現在も経済的な圧迫を感じている。

また「出費を収入が上回っている」消費者も2ポイント減の18%だが、貯蓄傾向が著しく強まっているわけでもなく、低所得層になればなるほど支出のバランスが崩れていく。

最も気にかかるのは、ミレニアル世代(18歳から34歳)による経済力の低下だ。所得に関係なく、「年金の積み立てを担保に融資をうけている(22%)」「住宅ローンの返済を延滞した(29%)」と答えたこの世代の消費者は、55歳以上の4倍ほどの確率だ。「銀行から借り入れしている(26%)」のも、この世代が最も多い。

しかし「毎月予算をくんでやりくりしている」のもミレニアル世代の特徴で、59%と全体平均を3ポイント上回っている。それにも関わらず、なぜ経済力が低下しているのかという疑問がわくが、すべての年代層をとおして、マネープランを数カ月単位の短期サイクルでとらえる傾向が強いことが、問題の根底にあるのではないかと思われる。

予算をくんでの経済的な人生設計で最も重要なのは、「今後数か月間(25%)」で、5年後、10年後の長期プランとしてとらえている消費者は平均14%以下だ。低所得層の所得引きあげにばかり焦点が当たっているが、それと同時に、結婚、子育て、住宅購入、老後など、人生の様々なイベントを考慮にいれた本当の意味でのマネープラン力を養うことが、米経済力の強化に貢献するのかも知れない。(ZUU online 編集部)

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