アメックス,クレジットカード,米国
(写真=Thinkstock/Getty Images)

米アメリカン・エキスプレスの支払い遅延損害金が、来年1月より1ドル(約112円)増しの最高38ドル(約4261円)に引きあげられる。長引く低金利政策で落ちこんだ利益・収益改善策として、米政府が決定したクレジットカードの償却限度額引きあげに便乗した動きである。

アメックスは「過去半年における2カ月以上の滞納ケースは非常に少ない」とコメントする一方で、来年の遅延損害金が総額120億ドル(約1兆3444億円)に達すると予想している。

ペナルティー強化でデジタル化と互角に戦える?横たわる疑問

多方面から収益を創出しているリテール銀行とは異なり、アメックスのようなクレジットカードは収益源が一本にしぼられている。主幹となるカード事業をとおして、最大の収益をあげることは必須である。

アメックスが昨年徴収した遅延損害金は114億ドル(約1兆2773億円)。200億ドル(約2兆2408億円)を徴収した金融危機直後の2009年とは比べものにならないが、巨大な収益源になっていることは明白だ。

アメックスが11月15日に米証券取引委員会に提出したレポートでは、30日を上回る10月の遅延率は融資総額の1.1%。消費者貸し倒れ償却率は1.6%。ともに8月、9月から変動は見られていない。

小企業による融資総額は547億ドル(約6兆1286億円)と1.6%増えたにも関わらず、貸し倒れ償却率には改善が見られ、0.1ポイント減の1.5%だった。

Visaやマスターカードライバル企業が次々とデジタル改革に乗りだし、コスト削減に重点を置いた利益創出を図る中、アメックスはかたくなに従来のスタイルをつらぬいてきた。結果的には時価総額が900億ドル(約10兆836億円)から620億ドル(約6兆9465億円)まで大幅にさがり、ゴールドマン・サックスやUBS証券などに株式レーティングを降格されている。

遅延損害金引きあげの発表を受け、11月23日の株価は今年最高値の72.88ドル(約8165円)まで上昇。11月28日は72.13ドル(約8081円)に落ち着いている。

すべてのカード利用者が返済期限を厳守できればそれに越したことはないが、厳しい現実が徴収総額に反映されている。そうした現実問題を考慮にいれても、「アメックスがペナルティーの強化で、どこまでデジタル化と戦えるのか」という疑問は残る。(ZUU online 編集部)

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