良質な葉たばこの産地として有名なバージニア州では研究機関・企業・農家が提携し、航空機バイオ燃料を含め様々な「実用化の実験」が進められている。
たばこの売上げが著しく下降している米国で、死活問題に頭を悩ますたばこ農家への支援策であると同時に、環境を配慮した商品を開発するの試みだ。
南アフリカ航空、ボーイングによる航空機バイオ燃料なども
禁煙キャンペーンや加熱たばこなど代用嗜好商品に押され、世界的なたばこ需要の落ちこみに打撃を受けるたばこ産業。原料となるたばこの葉を育てている農家にとっては、深刻な死活問題だ。米疾病管理予防センター(CDC)のデータによると、1970年代には90万トン以上だった生産量が、2012年には36万トンにまで減少。1980年代には18万件あったたばこ農家も、1万件に減っている。
これらのたばこ農家はバイオ分野に未来をたくし、研究機関や企業とともに、燃料や殺虫剤といった喫煙以外のたばこの用途を模索している。所有している土地の全域でたばこを育てている農家が少なくなった現在、儲けの少ない干し草を育てたり、空っぽの土地で雑草をはやしておくよりも余程建設的というわけだ。
米タイトン・バイオエナジー・システムによる「たばこバイオ燃料」研究が、その代表例のひとつに数えられる。2009年以来、タイトンはバージニア工科大学やノースカロライナ州立大学の農学者と提携し、バージニア州カランズのたばこ畑で、遺伝子組み換えによって種子油と糖質を高めたバイオ燃料用の葉を育てようと挑戦している。
また2013年にはローレンス・バークレー国立研究所とカリフォルニア大学バークレー校が提携関係を結び、米エネルギー省から480万ドルの研究資金を得て、同様の研究に取り組んでいる。南アフリカ航空とボーイングによる航空機バイオ燃料の研究も進んでいる。
現時点では4047平方メートルのたばこ農園から、80トン(水分を含む重量)相当のバイオマス(植物・動物を含むすべての地球上の生物)および副産物の生産に成功。このバイオマスを、バイオ燃料やバイオ肥料などにかえることが可能である。(ZUU online 編集部)
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