もうひとつ、「土用」とか「節分」とかいう、雑節(ざっせつ)というものがある。これも季節の変化に対する、農業などに関わる生活の知恵に由来して、設けられた日である。

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土用というのは年4回ある。これは中国の五行説(ごく簡単にいうと、「万物が木、火、金、水、土の組み合わせ」と考える説)と四季を組み合わせて、春―木、夏―火、秋―金、冬―水と当てはめ、季節の変わり目を少しずつ集めて「土」にあてはめたものとされている。その日からそれぞれ立春・立夏・立春・立冬の日までの期間を土用と呼ぶ。

土用といえば、「土用の丑の日」であるが、これは土用の期間にくる丑の日(各日に子、丑、寅・・・の十二支を当てはめたもの)のことで、夏のこの日は、うなぎを食べる日として有名だが、これは江戸時代に鰻を売るためのキャッチコピーとして平賀源内が言ったとされ、そんなに古い話ではない。(現代にいたるまで生き残っているのだから大成功であろう。)

節分は本来、立春・立夏・立春・立冬それぞれの前日だったのだが、現在は立春だけが生き残っている。彼岸、は春分・秋分を中日とした7日の期間である。八十八夜は、立春から88日めで、夏は近づくが晩霜に注意の目安とされた。二百十日は台風に注意、である。入梅は80度の位置で、梅雨の季節である。半夏生(はんげしょう)は、100度の位置で、さらに季節を細かく72に分けた「七十二候」の一つが生き残ったものである。田植えを終わらせる目安とされた。

さて、冒頭の話しに戻るが、「立春」は「春の気たつをもって也」(こよみ便覧)、「寒さも峠をこえ、春の気配が感じられる」(国立天文台)のであって、今日から急に暖かくなる・・・わけではないのだ。

また、江戸時代に、今でいう天文学者の渋川春海が、八十八夜や二百十日を廃止しようとしたが、訴えをきいて残した、とか、2011年頃日本気象協会が、日本の現代の実態にあわせて二十四節気を改定しようという試みもあったそうだが、うまく行かなかったと聞く。

少々実態にあっていなくても、日常生活に根づいた慣習はなかなか消せないようである。この原稿が出る翌日は12月7日「大雪」で、これは話題に上りにくい?その次は12月21日(これは2016年と2017年で日付は異なる。)、今年最後の二十四節気「冬至」、これはニュースでもよく取上げられていそうだ。

安井義浩(やすい よしひろ)
ニッセイ基礎研究所 保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任

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