喫煙者,雇用法,米国
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「喫煙者は雇用しない」アンチ・スモーキングな企業および機関が、米国で過去最高水準に達しているといわれている。喫煙者の絞めだしに関して、日本などでは法的に不透明な点が指摘されているが、米国では喫煙者保護法が設けられていない州に限り、雇用均等法などに対する違反行為と見なされず合法化されている。

喫煙者による医療コストや病欠日数、非喫煙者への受動喫煙などを理由に、喫煙者締めだし戦略に走る企業に異論を唱える声が挙がっているものの、米各州では過去10年間にわたり、室内公共空間および公営住宅での喫煙禁止法が強化されており、企業からの圧力も今後さらに強まりそうだ。

喫煙者排除は企業にとって、本当にプラス効果?

現時点では米全土で統一された喫煙者保護法は設けられておらず、米雇用機会均等委員会も「喫煙者」が法律で保護される立場にあるとは認めていない。米国肺協会の2013年のデータによると、カリフォルニア、ニューヨーク、オレゴン、ニュージャージーを含む約30州で喫煙者は雇用法によって保護されており、「煙草を吸う」というだけの理由で採用を見送る、あるいは解雇することは違法行為となる。

これに対して残りの州では、堂々と喫煙者を排除することが可能だ。企業側は総体的に喫煙者の病欠日数が非喫煙者よりも多いこと、喫煙者の医療コストや保険料の一部を会社側が負担している場合、割高になることなどを理由に、不採用や解雇に踏みきれる。

その一方で「雇用に関する喫煙差別が、本来の狙いからはずれているのではないか」との指摘もある。確かに、健康面・労働力面でのリスクだけで判断するのであれば、高コレステロール血症や糖尿病など生活習慣病と深い関連性があるとされている肥満者にも、採用・雇用基準に引っかかるかも知れない。しかし受動喫煙のような間接的な害をおよぼす可能性はない。

労働力の低下という点では、企業側は喫煙者というだけで採用せず、優秀な人材をみすみす逃している可能性も指摘されている。採用にあたり、体内のニコチン濃度測定対策として短期間だけ喫煙し、一旦職に就いてしまえば再びコッソリ喫煙するという応募者も少なくはないだろう。

「喫煙者を一歩的に締めだすのではなく、雇用後に喫煙プログラムへの参加を促進するなど、長期的な働きかけに重点を置くべきだ」との提案も出ているが、喫煙者締めだしの動きが世界中で広がっている近年、喫煙者にとってはますます肩身の狭い環境となりそうだ。来年からは米国全土の公営住宅において、喫煙禁止法が実施される。(ZUU online 編集部)

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