保険の「得する見直し」「損する見直し」

『よい保険・悪い保険』は年度版のシリーズですが、今回はサブタイトルを「徹底見直し編」に変更しました。

『よい保険・悪い保険』(別冊宝島)
『よい保険・悪い保険』別冊宝島(2016/12/10)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

大きな特徴としては、付録として「書き込み式!保険の見直しワークブック」がついていることです。この小冊子は読者自身で必要な保険のチェックや、現在加入している保険の分析、家庭の必要保障額の計算などができます。

私は職業柄、保険の見直しなどで相談を受けることが少なくありません。今回のワークブックでは、そうした経験をベースに「得する見直し、損する見直し 30」という項目を追加して、分かりやすくポイントをまとめました。

保険はとかく営業員の言いなりになりがちで、自分がどんな保険に加入しているのか把握できていないケースも珍しくありません。

それまで保険営業員に勧められるままに加入していた保険を、ワークブックに書き込みながら具体的な「数字」として把握し、見直すことが可能です。保険だけでなく、将来のライフプランを検討する際の一助になればと考え、ワークブックを企画しました。

ランキング外の「ニッチな保険」もフォロー

最近の保険商品は、保障の範囲をどんどん細分化する傾向にあります。

たとえば医療保険などは、ここ数年の価格競争で保険料が値下がり傾向にありました。特にリスク細分型の登場は、保険料の値下がりを加速させましたが、それも限界にきています。そこで新しいジャンルの保障ということで、よりニッチな保障をつけたものや、保障範囲を広げた保険商品が登場しているのです。

具体的には「就業不能保険」や「損失補填医療保険」「認知症保険」「トンチン年金」「ステージ別のがん保険」「一時金型医療保険」などです。『よい保険・悪い保険』では、これらの保険のほか、巻末のミニ保険の特集で「山岳保険」「弁護士保険」「糖尿病保険」なども取り上げています。

上記の保険商品は、一部の人にはとても役に立ちますが、万人受けするものではありません。そのため、そういった保険は残念ながらランキングに入るのが難しい側面もあります。『よい保険・悪い保険』では、そんな「ランキング外の注目の保険」も網羅しています。

そのほか、損害保険も取り上げています。とくに自動車保険は通販型か? 代理店型か? で意見が分かれるところですが、今回の「自動車保険ランキング」では上位8位で通販型が6社、代理店型が2社となりました。自動車保険の通販型と代理店型については、それぞれの保険のプロからのアドバイスもあります。また、2017年は地震保険の保険料と補償内容も改定しますが、その最新情報も掲載しています。

ここではすべてを紹介することはできませんが、保険の見直しを考える際には、ぜひ参考にして頂ければと思います。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。