不動産,住みたい街
(写真=PIXTA)

毎日通勤するたびに、「なんでこんなに電車が混むのだろう、また遅れている……」と感じるサラリーマンの方は多いと思う。もしこれが住まいを変えることによって少しでも快適に通勤できるのであれば、そうしたいと思う方々も少なからずいるのではないだろうか。

マクロミルが2016年9月30日〜10月1日にインターネットを使い、東京、大阪の通勤通学者2000人に尋ねた電車での通勤通学事情を紹介しよう。調査によれば、東京、大阪の半数以上の通勤通学者が片道1時間以上かけて職場や学校に向かっていること、そのうちの4人に1人が手足は動かせるが身体の位置が動かせない程度の混雑レベルを経験し、そして95%の人が通勤電車にストレスを感じているとのことだ。

筆者も、過去色々な街から路線を使って都心に通勤通学した経験があり、毎日その繰り返しに何とかならないものかと考えた。その結果、座って通うことを一番に考え、始発駅の周辺で自宅を探した経験がある。一度座って通勤をしてしまうと、こんな楽なことはなく、通勤の苦労が半減したと感じている。

ここでは、東京近郊の始発駅で座って都心まで行ける街をピックアップし、それらを実質所要通勤時間(乗換時間も含む)でランキング付けしてみた。また時間だけでなく、周辺の家賃相場も加味し、費用対効果の高い駅を選択してみた。

「新宿へ通勤しやすい駅」ランキングTOP5はこちら

【選択した条件」
1. 東京大手町駅(東京メトロ丸の内線、千代田線、半蔵門線、東西線、都営地下鉄三田線)へ8時45分に到着する。
2. 始発駅とは、7時半から8時半までの1時間の間に6本以上の始発電車がある駅(すなわち10分待てば始発電車に乗れる)。
3. 着席券を発行する有料特急などの優等列車は除き、あくまで通勤電車に限る。
4. 最寄り駅から10分以内の1LDK物件の平均相場が10万円以内の駅(Homes調べ)。
5. 複数の線の乗り入れ駅の場合、始発駅の方の路線を優先した。

これらの時間や相場は、機械的にランキングしているので、通勤時間は短いが家賃相場がわずかに高いためランキングに残らなかった駅もある。また時刻表や始発駅から大手町までの所要時間は、Yahoo乗換案内の最新版を使った。これらの条件は、あくまで目安としてみてほしい。ではランキングを見ていこう。

第5位 JR京浜東北線 南浦和駅 41分 9.15万円

京浜東北線の車庫があるので、ここからの始発電車は多い。朝の7時30分~8時30分の間の始発本数は7本。山手線の東側に通勤通学の目的地がある場合、とても通いやすい駅だ。武蔵野線との連絡駅でもあるので、千葉方面や埼玉の朝霞方面に出る場合も便利な駅。

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第4位 東京メトロ有楽町線 和光市駅 36分 9.6万円

第3位の西高島平駅と大手町駅までの所要時間は同じだが、家賃が少し高いので4位とした。和光市駅は、東京メトロ有楽町線の始発駅であり、さらに東武東上線、東京メトロ副都心線ともつながっているので、交通の要所となっている。

副都心線は、東上線、西武池袋線、そして東急東横線とつながり、北は東上線森林公園、南は東横線元町中華街まで伸びている。通勤通学の目的地が新宿、渋谷方面だったら、とても便利な駅だ。駅南側はイトーヨーカ堂などのスーパーがあり、買い物の便利も良い。

第3位 都営三田線 西高島平駅 36分 9.21万円

都営三田線の終点。1972年から入居が始まったマンモス団地の高島平団地が開発の起点になっている。首都高速5号池袋線の高島平口が近くにあるので、車での移動も便利。駅の北側は物流倉庫や中央卸売市場板橋市場などの施設が立ち並んでいる。

第2位 東京メトロ 東西線 妙典駅 30分 9.52万円

妙典駅は、東西線の中でも2000年開業と比較的新しい駅。この駅ができる前は、原木中山と行徳の間の駅間は長かったが、周辺の区画整理事業の中で駅設置が持ち上がり、新駅が作られ。

駅から見て海側に東西線の車両基地があるため、妙典始発の電車が多く発着する。駅周辺の街の雰囲気も新しい。しかし、東西線の混雑率(木場-門前仲町)は199%(2015年)と東京圏で第2位となっている。今後南砂町駅の2面3路線化、木場駅のホーム拡張など混雑緩和対策がどのような効果を上げるか、注目である。

第1位 京成押上線 青砥駅 26分 9.41万円

京成線の青砥駅と隣の高砂駅は京成線の拠点駅。青砥駅はここから上野方面の京成本線と押上方面の押上線に分かれる。東京方面には、押上線を使い、スカイツリーの下の押上駅を通って都営地下鉄浅草線に乗り入れる。日本橋、東銀座、新橋など、繁華街に出るのも便利な駅なので休日のショッピングにも便利だ。京成線の混雑率(押上-京成曳舟)も142%とそれほどでもない。

1LDKの家賃相場が、10万円をわずかに超えるか家賃相場がないなど、大手町駅までの所要時間が40分未満の駅などをまず番外編としてまとめてみた。

東京メトロ千代田線 綾瀬駅 22分 9.91万円

大手町まで千代田線を使い乗換なし22分で到着する。家賃相場も比較的落ちついており、駅周辺の買い物も便利だ。今回ランキングに入らなかったのは、7時30分から8時30分の間の始発電車がたまたま5本だということで、時間をずらせば、他の路線と同じ頻度で始発に乗車することが出来る。

東京メトロ日比谷線、北千住駅 28分 10.28万円

JR常磐線、東武スカイツリーライン、東京メトロ千代田線、日比谷線、つくばエクスプレスなどが乗り入れる、東京東部の一大ターミナル。始発電車は日比谷線しかないので、それを使って大手町まで出るルートで所要時間を計算したが、それでも28分で到着した。イトーヨーカ堂の創業の地であり、下町の雰囲気が素敵だ。千代田線を使えば乗り換えなし17分で大手町まで到着することが出来る。

東京メトロ有楽町線 新木場駅 22分 相場なし

有楽町線と京葉線、さらに東京臨海高速鉄道りんかい線が交差する駅。これからオリンピックに向け、湾岸地域にも近く注目のエリアだが、駅周辺は材木関連の会社が多く、住居としての環境がまだ整っていない。もし将来活発な開発が進んでくれば、大きな変貌を遂げるであろうポテンシャルを持った駅である。

今回の調査は、大手町という東京の東側のオフィス街を最終目的地にしたので、首都圏の東側の駅が多くランキングした。もし新宿、渋谷といった山手線西側のターミナルを最終目的地とすれば、違ったランキングになるだろう。

今回の住みたい街ランキングを考える際、その街の雰囲気はとても大切な要素に違いない。しかし、数値化することが出来ない要素のため、省いてランキング化したことはご了承いただきたい。

マネーデザイン 代表取締役社長 中村伸一
学習院大学卒業後、KPMG、スタンダードチャータード銀行、日興シティグループ証券、メリルリンチ証券など外資系金融機関で勤務後、2014年独立し、FP会社を設立。不動産、生命保険、資産運用(IFA)を中心に個人、法人顧客に対し事業展開している。日本人の金融リテラシーの向上が日本経済の発展につながると信じ、マネーに関する情報を積極的に発信。

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