USA TODAYは12月22日、「トランプ・ラリー」効果が米株式市場にもたらした利益が1兆8000億ドル(約211兆3020億円)に達っしているにも関わらず、約半数の米国人が「株離れ」によってその恩恵を逃していると報じた。
最も利益を受けた高所得層とは対照的に、低所得層ほど投資とは程遠い世界で暮らしており、ここでも所得格差の現状が強く浮彫になっている。
2009年の金融危機の後遺症 トランプ氏の政策で克服なるか?
「トランプ・ラリー」とは、次期米大統領、ドナルド・トランプ氏の勝利によって米株式市場の高値を継続している状態を指す。「ラリー(Rally)」という単語自体は「金融市場の反騰」を意味する。
2009年の経済危機以降は株への不信感が高まり、2007年には65%の米国人が株を保有していたにも関わらず、現在は52%まで落ちこんでいることが、世論調査会社、Gallupの4月のサーベイ結果から判明している。
所得別に保有率を見てみると、年間所得7万5000ドル(約880万円)以上の層の79%が投資しているのに対し、3万ドル(約352万円)以下の層で投資しているのはわずか23%。3万ドルから7万4999ドル(約352万円から880万円)の中間所得層は、約半数が投資している。
この数字から、トランプ・ラリーの利益が中間所得層の一部と高所得層へ流れていることがわかる。経済的に株を保有する余裕がない低所得層は、一括千金のチャンスすら逃してしまうということなのだろうか。
ウォーレン・ファイナンシャル・サービスのランディー・ウォーレン氏CEOは、そうした悲観的な見解を否定。トランプ氏による「企業に優しい政策」が、将来的に労働階級の所得引きあげに貢献するなど、希望の持てる要素にあふれていると見ている。
しかし「ラリーの恩恵を受けるには、株を購入しなくてはなにも始まらない」という事実は変わらない。米市場調査会社、ファンドトラスト・グローバル・アドバイザーの政策ストラテジスト、トム・ブロック氏は、トランプ氏がSNSなどをとおして、国民による投資への不安感を緩和できるのではないかと提案している。(ZUU online 編集部)
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