社会保障,年金,所得格差,米国
(写真=Thinkstock/Getty Images)

米共和党は12月8日、米社会保障制度改正案を議会に提出した。年金支給開始年齢(FRA)の引きあげから所得層別の生計費調整改革まで、実現すればかなり大規模な改革となる。
しかし次期大統領であるドナルド・トランプ氏が、社会保障制度の見直しには異なるアプローチ法を打ちだしていることから、どの程度まで議会の承認を得られるかについては先行きが不透明である。

米経済強化を対応策とするトランプ氏、システム改革を求める米共和党

54ページにわたる提案書では、「21世紀に見合った社会福祉制度の近代化」「労働への報酬」「年金制度の向上」といったテーマに沿って、様々な改革が提案されている。

具体的には2030年までにFRAを現在の67歳(1960年以降に生まれた国民対象)から69歳に引きあげるほか、2023年までに退職所得調査(老齢保障年金を受給しながら所得を得ている高齢者を対象に行われる収入調査)を廃止。所得に応じた年金支給額の減額制度をなくすことで、働く高齢者を支援する。また低所得層の基礎年金額の引きあげも提案している。

深刻化する所得格差を縮小する手段としては、高所得層の退職者あるいは身体障害者世帯に支給される児童手当や配偶者手当に最高限度額を設ける。生計費調整改革を実施し、2018年には高所得層への調節支給額を減額、あるいは廃止。それと同時に、低所得層への調節支給額引きあげペースを加速させる。

これらの法案が議会を通過するかという点については疑問が残る。現在の福祉制度が深刻な問題をかかえているということに対しては、トランプ氏も十分に認識している。しかしトランプ氏は制度自体を改革するのではなく、米経済を強化することで問題解決に取り組むスタンスをとっている。

そうはいうもののトランプ氏も「福祉制度の必要性がない高所得層への支給」には、かねてから疑問を唱えている。米高齢者の6割が年金で生計を立てているのに対し、3割にとっては「単なる小遣い」程度でしかないことなども、世論調査会社、Gallupのサーベイから判明しており、米経済への圧迫を緩和する意図でもなんらかの形で対応策が講じられることは間違いなさそうだ。(ZUU online 編集部)

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