「職場でも物怖じせず自信をもって自己主張できる女性は、給与面で優遇されている」ことなどが近年の調査から判明し、「職場では受け身」という女性のあり方が、男女の所得格差の隠れた要因として浮上している。

しかしこれらの自信家型の女性と男性を比較した場合、明らかに男性の給与の方が高いという事実は、男女の所得格差に根差す問題が予想以上に奥深いことを指す。

昇給するのは自信家だが、能力が公平に報酬に反映されているとは限らない

人文科学・社会科学分野を専門とする英学術出版社、ラウトレッジが発表した「The European Journal of Work and Organizational Psychology(EJWOP)」によると、一般的には「支配力に優れた自信家」が昇給の機会に恵まれという。

375人の男女を対象にしたこの調査は昨年発表されたものだが、所得差傾向は性別よりも性質に左右されていると報告されている。男女ともに「自信家型」は給与が高く、「受け身型」は給与が低い。

この発見がどのように男女の所得差に反映しているかというと、自信家タイプは男性に多く見られ、女性は「協調性」を重視する(あるいは社会からそうであることを期待される)傾向が強い点に起因すると思われる。

それでは女性が自信をもって能力を発揮できる職場環境に改善していけば、男女間の所得格差は軽減されるのだろうか。残念ながら、そう単純に解決できる問題ではないようだ。つまり男性顔負けに仕事のできるキャリア女性でも、能力が公平に報酬に反映されているとは限らないということだ。

英ウォーリック大学が今年7月に発表したレポートでは、4600人の豪従業員のうち75%の男性、66%の女性が給与の値上げ交渉の経験があり、男女ともに所得の引きあげを望んでいることがわかる。しかし交渉の成功率では男性が25%高く、米コーネル大学などは性別による所得格差が縮小されるどころか、女性の給与の中央値が落ちこんでいることなどを指摘している。(ZUU online 編集部)

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