TVをはじめ各種メディアが競って取り上げていることからも明らかなとおり、「ふるさと納税」の人気が過熱している。
ふるさと納税は、たとえ今は都会に住んでいたとしても、自分をはぐくんでくれた「ふるさと」に納税できる制度があってもよいのではないかという問題提起から始まったものだという。ここでは残り僅かとなった12月中にも駆け込みが可能だというこの制度について、実質的な知識を整理しておくことにしたい。
全額控除される「ふるさと納税」の上限額
ふるさと納税は「納税」という名称がついてはいるものの、実際には都道府県や市区町村への「寄附」のことを意味している。寄附する先が自分の生まれ故郷である必要はなく、複数の自治体を選ぶこともできる。一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告によって寄附金額の一部が課税所得から控除される。ところがふるさと納税では、自己負担額の2000円を除いた全額が控除対象になっているのだ。
全額控除されるふるさと納税額の年間上限額は、年収や家族構成、住宅ローン控除や医療費控除などの控除を受けているかどうかなどによって異なってくる。納税額が多い人ほど受ける恩恵が増すわけだが、参考までに一例を挙げれば、夫婦と高校生の子供が一人いる給与収入500万円の人の場合には、上限額は4万円となる。
これからでも間に合う「クレジットカード決済」
いくら「ふるさと納税」のメリットを聞かされてみたところで、実際に利用しない限りは何の役にも立たない。そこでここでは、北海道の上士幌町を例に、実務の流れを具体的に追ってみることにしよう。
まずは、上士幌町のHPから、ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」にアクセスしてみる。するとそこには「お礼の品」という、お肉や海産物など、ちょっとしたスーパーならおよびもつかないほどの豊富なメニューが揃っているサイトが用意されている。
寄付の申請はこの「お礼の品」のサイトにある「お申込みフォーム」から、ほんの5分もかからずに完了することができる。「クレジットカード決済」なら12月31日の23時50分まで受付が可能で、カードの引き落とし日とは関係なしに、「カード利用日」が寄付日になる。あとは「お礼の品」と「寄附証明書」が後日送られてくるのを待つだけだ。
実際に控除を受けるには確定申告が必要
「ふるさと納税」に関して、所得税からの控除額は、次のような計算式で算出できる。
所得税からの控除額 = (ふるさと納税額-2000円)×「所得税の税率」
住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2000円)×10%
住民税からの控除(特例分)
= (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
なお、2016年分の実際に控除を受けるには、2017年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要がある。ただし、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」という、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる仕組みも用意されている。特例の申請にはふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、ふるさと納税を行う際に各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出する必要がある。上士幌町の場合には、この「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」も別途役場から送られてくる。
駆け込みで「お肉」を手に入れるには
さて、これからでも駆け込みが可能な「クレジットカード対応」をしているのは、どんなところなのだろうか。ここではたっぷりと「お肉」を味わいたいという人のために、いくつかの自治体を紹介しておこう。
1. 北海道上士幌町「十勝ハーブ牛ヒレブロック」など
先に挙げた北海道上士幌町でのオススメは、「十勝ハーブ牛ヒレブロック」や「十勝ナイタイ和牛手ごねハンバーグ」、「十勝ハーブ牛リブロースブロック」などの牛肉製品だ。とにかく品ぞろえが豊富で、選ぶのに迷って年を越してしまったりしないようご注意。
2. 千葉県勝浦市「房総なるかポーク」
東京から車で2時間ほどの外房に位置する勝浦市は、サーフィンやゴルフなどのアウトドアスポーツが盛んだ。その勝浦の恵みをたっぷり受けて育った「房総なるかポーク」の精肉や加工品が人気を呼んでいる。
3. 宮崎県都城市「宮崎牛」や「霧島黒豚」
都城市は、ふるさと納税への積極的な取り組み姿勢から人気が高く、「宮崎牛」や「霧島黒豚」などの人気製品は品切れが日常茶飯事になっている。HPをチェックして欲しいモノがみつかったら、即座に申し込むことをオススメする。
4. 宮崎県高千穂町「高千穂牛」
すき焼き用、しゃぶしゃぶ用、焼き肉用など、とにかく「高千穂牛」ならなんでもござれの高千穂町。高千穂峡や「国見ケ丘」、「天の安河原」など、雄大で歴史の神秘を感じさせる風景を思い浮かべながら、高千穂牛のサーロインステーキを堪能するのも悪くない。
5. 長崎県島原市「長崎和牛」
湧水が脈打つ「水の都」島原市では、なんといっても「長崎和牛」が一番人気だ。品切れ品が多いうえ、注文しても手にできるのは2カ月以上先だったりする。もっとも、待たされた分だけ味わい深いものになるのかもしれない。
6. 茨城県行方市 「常陸牛」
「行方」と書いて「なめかた」と読む。ここでの人気は、やはり「全国でもトップクラスの肉質」といわれている「常陸牛」だろう。「常陸」をちゃんと「ひたち」と読んだ人は、相当な「お肉通」だといえそうだ。(ZUU online 編集部)
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