今年1月に400店舗以上の支店閉鎖計画を発表したウェルズ・ファーゴだが、クレジットカード新規申請は前年同月比47%、新規口座開設は31%落ちこんでいることなども、最新の月間報告書から判明した。

しかし昨年12月の数字と比較すると回復の兆しが見られることから、わずかながらも希望の光が差し始めたとの見方もでている。

2018年末までに年間2257億のコスト削減計画

2月17日にニューヨーク・タイムズ紙が報じたところでは、顧客の支店訪問も14%減とスキャンダルの余韻が強く見られるのはカードや口座だけではない。

大規模な店舗整理に関してはあくまでデジタル化の一環とし、スキャンダルとの関連性を否定しているが、ウォールストリートのアナリスト間では「関連性は否定できない」という見方が強いとCNNは報じている。

スキャンダルによる訴訟費用などが、最終的に莫大な金額に達することは容易に想像できる。支店閉鎖によってそのコストを補う意図があっても不思議ではない。また閉鎖される支店の利益創出力を見切っての判断である可能性も高い。

ウェルズ・ファーゴは2018年末までに年間20億ドル(約2257億4000万円)の節減を目指し、今年中に200件、来年さらに200件の閉鎖を予定している。

ティム・スローンCEOは支店を訪れる顧客の存在を認める一方で、「オンライン、モバイル、テレホンバンキングへのアクセスが急増している」と、店舗整理とデジタル化が時代の流れに沿った決断であることをアピール。

同様の動きはバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなど、多数の大手でも見られる。そうした観点から見ると、スキャンダルで一歩遅れをとったウェルズ・ファーゴが、ようやく需要に対応する余裕を見いだしたといえないこともない。

ウェルズ・ファーゴは顧客の信頼回復に努める目的で、昨年の不正口座開設スキャンダル以降、パフォーマンスを詳細に示した月間報告書を発表している。一旦地に落ちた信用を回復するには、相当の年月と労力を要するはずだ。(ZUU online 編集部)

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