夕張,旧産炭地,財政再建団体,地方創生
新夕張駅(写真=PIXTA)

目次

  1. はじめに
  2. 財政破綻から12年 夕張市の今は
  3. 地域再生に向け、総務省が事業内容を精査
  4. 人口が急減、住民のほぼ半数が高齢者に
  5. 見せしめのような厳しい措置で地域が疲弊
  6. 市に手を差し伸べる企業も続々と

はじめに

2014年、安倍晋三首相が第2次改造内閣を発足させたとき、首相は「東京の一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかける」として「地方創生」の目標を高らかに掲げた。

あれから4年、「地方創生」の掛け声はあまり聞こえなくなってきたが、地方はどのような問題を抱え、どのように対処しようとしているのだろうか。

改めて、地方の現状を見ていきたい。

※2017年3月配信記事を再編集したものです。

財政破綻から12年 夕張市の今は

2006年、353億円の財政赤字を抱えて破綻した北海道夕張市。それから10年たった2016年、高市早苗総務相(当時)は、緊縮一辺倒から脱却し借金返済と地域再生の両立を目指す市の新方針を特別交付税で支援する意向を明らかにした。特別交付税は自然災害などで緊急の財政需要が必要な市町村に交付しており、地域再生事業に活用するのは極めて異例のことだった。。

全国唯一の財政再生団体として緊縮財政を続ける中、夕張には暗いムードばかりが漂っていたが、ようやく明るい兆しが見えてきたと市も喜んだ。

地域再生に向け、総務省が事業内容を精査

高市総務相は閣議後の記者会見で、抜本的に財政再生計画を見直す市に対し、「最大限支援する観点から、財政再生後を見据えた事業に特別交付税の措置を講じる」と述べ、市の地域再生策を財政支援する考えを明らかにした。

市は徹底した緊縮財政で353億円の借金のうち、2015年度末現在で約95億円を返済した。しかし、最高の負担で最低の住民サービスといわれる現状から市民の間に疲弊感が広がっているとして、財政再生計画を見直して地域再生事業を進める方針を打ち出した。

主な内容は若者の定住や子育ての支援、コンパクトシティの推進などで、総事業費は2017年からの10年間で100億円以上に及ぶ見通し。市はこの事業費の財源について、国の支援を求め、総務省も市が提出する具体的な事業内容を精査して特別交付税の対象事業を決めた。