岡山, ICO, 地方創生
のどかな山村風景が広がる岡山県西粟倉村。村は国内初の地方創生ICOの実施を決めた(写真=筆者)

目次

  1. 小さな山村が発行する仮想通貨
  2. 国の交付金に頼らない新財源として活用
  3. 国内でも企業が相次いで実施
  4. 厳しい財政状況打破へ窮余の一策
  5. ICOは村の苦境を救えるか

※2018年6月配信記事を再編集したものです。

小さな山村が発行する仮想通貨

のどかな山村風景が広がる岡山県西粟倉村。その、山あいにある小さな村が全国の地方自治体で初めてとなる地方創生ICO(イニシャル・コイン・オファリング/新規仮想通貨公開)の実施を決めた。投資家に独自の仮想通貨を購入してもらい、資金調達するもので、人口減少で厳しさを増す一方の財政状況打開を目指している。

国が定める改正資金決済法や、業界団体の日本仮想通貨交換業協会が制定を目指す自主規制ルールの行方を見たうえで発行するため、発行時期は未定だが、村はICOで調達した資金を財源に持続可能な地域づくりを進める方針だ。

国の交付金に頼らない新財源として活用

西粟倉村の仮想通貨は名称が「Nishi Awakura Coin(NAC)」。村が設立準備を進めている一般社団法人「西粟倉村トークンエコノミー協会」が発行し、投資家は仮想通貨のイーサリアムで購入する仕組み。村は調達したイーサリアムを現金と交換し、国の交付金に頼らない新たな財源として活用する。

同エコノミー協会は民間事業者で構成される。業界の自主規制ルールなどがはっきりするのを受けて村のビジョンに沿ったホワイトペーパーと呼ばれる企画書を作成、資金調達に入る。

NAC保有者には投票権が与えられ、村内で事業をスタートさせようとする起業家に投票することで事業構想に参画できる。起業家とNAC保有者による挑戦と応援の仕組みを整備し、より魅力的な事業を発掘して実現させるのが狙いだ。

さらに、村内でNACを通貨代わりに使える仕組みも構築し、住民の暮らしも含めた仮想通貨による独自の地域通貨経済圏をつくることを将来の目標にしている。

業界の自主規制ルールが出てきていないことから、村はスタート時期を未定としているが、できるだけ早く資金調達を始めたい意向で、関係者の間では遅くとも2021年度までの実現を目指すという声も出ている。