WBC,経済効果
(写真=Yury Zap/Shutterstock.com)

3月6日に開幕、日本代表はきょう7日が初戦であるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。関西大学の宮本勝浩名誉教授は「侍ジャパン」が優勝した場合の経済効果は約343億円4588万円と算出している。2017WBCは、3月7日から東京と韓国で開幕する1次、2次予選を経て、3月20日から3日間、米国で始まる決勝戦につながる。

優勝なら国内経済活性化に貢献

さまざまな事案の経済効果の算出で知られる宮本名誉教授は、「WBCで優勝すれば、短期で大きな経済効果を生み出し、国内経済を活性化させる。同時に、日本国民を元気づけ、一体感を高める快挙である」とコメントしている。

算定の根拠は、宮崎キャンプから始まり、強化試合と壮行試合、1、2次予選そして決勝戦までのさまざまな消費額が中心になる。放映権収入、WBCグッズの売り上げ、宣伝広告効果や新聞・雑誌の売り上げ、優勝パレードや優勝前後の消費額も含まれる。これら直接効果に波及効果を加味する。経済効果は、侍ジャパンが勝ち進むにつれてうなぎ登りになるとの予想である。

直接効果をさらに詳しく見れば、宮崎キャンプの効果は交通費、飲食費など53億円、強化試合、壮行試合および東京の1次予選の入場料、交通費106億円、決勝戦の観戦ツアーや放映権、グッヅ売り上げなど226億円など。

大谷投手欠場の影響は大きい

2017WBCでは、右足首痛で出場を辞退した日本ハムの大谷翔平投手が出場して優勝した場合を想定すれば、経済効果は約392億611万円となるはずだった。大谷効果は、それだけで約49億2223万円と推定されている。

選手個人の影響がいかに大きいかが分かる。同じような例が、2016年夏の甲子園全国高校野球である。宮本名誉教授の算出による、その経済効果は約344億円余り。注目された強打者の清宮幸太郎選手を擁する早稲田実業がベスト8以上になると、その経済効果だけで約34億円余りという算定である。同教授の計算によると、実際の経済効果は約244億6000万円だったという。

SMAP解散などさまざまな経済効果算出 このままでは黄色信号

宮本名誉教授は2006年だけで、「四国八十八ヶ所お遍路さんの経済効果」初めAKB48の総選挙、SMAP 解散など、以下のような経済効果を算出している。

「第8回AKB48選抜総選挙in新潟の経済効果」
「夏の甲子園全国高校野球」
「SMAP解散で失われる経済効果」
「2016年広島東洋カープ優勝の経済効果」
「天満天神繁昌亭10周年の経済効果」
「USJのニューアトラクション導入後10年間の経済効果」

現実はどうだろうか?壮行試合では、投打とも苦戦を強いられている。台湾戦でも入場券の売り上げは予想以上に不調だった。大谷選手不出馬で、放映権を取得している日本のTV各社は早くも視聴率を心配し、広告スポンサーは大谷不出馬のとばっちりを受けて、制作費の損失に青息吐息の状態である。

大会開幕の7日のキューバ戦のチケットはほぼ完売している。しかし1次予選の豪州戦)、中国戦チケットはまだ余っている。予想される経済効果はどこまで実現するのか?このままでは黄色信号が点滅する。(ZUU online 編集部)

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