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(写真= cougarsan /Shutterstock.com)

不動産市場において「駅近のほうが家の価値は高い」は、賃貸・売買に関係なく共通して言われる、もはや常識的な暗黙の了解のようなものとなっている。

しかし、それが本当かどうかは誰も確かめたことはないはずである。そこで東京23区の「駅から徒歩5分圏内マンション」と「駅から5分圏外マンション」における「割増率」ランキングにて、その事実を確かめてみよう。調査の対象は、マンションマーケット社が運営する相場情報サイト「マンションマーケット」に掲載されている、築10年以内の中古分譲マンション。

ランキング結果を見る前に、まずはあなた自身の見聞で予想してみてはいかがだろうか?面白い結果になっているかもしれない。

「割増率」ランキング結果を確認しよう

東京23区「割増率」ランキングをご紹介しよう。区名横の数字は左から「割増率(%)」「平均㎡数単価(円)・徒歩5分圏内」「平均㎡数単価(円)・徒歩5分圏外」「差額(円)」だ。

「徒歩1分=80m」として、「駅から徒歩5分の距離」は400mとなる。「平均㎡単価」とは、購入時の1㎡あたりの価格となる。今回の本調査に用いたデータは2017年2月23日時点のものである。

順位 区名 / 割増率 / 平均平米単価(徒歩5分内) / 平均平米単価(同5分外) / 差額(円)
23位 千代田 / -2.24% / 1,173,925 / 1,200,870 / -26,945
22位 墨田 / 0.01% / 763,535 / 763,487 / 47
21位 新宿 / 1.03% / 1,000,996 / 990,838 / 10,158
20位 品川 / 1.35% / 959,235 / 946,449 / 12,786
19位 豊島 / 2.45% / 887,755 / 866,556 / 21,199
18位 中央 / 2.63% / 963,658 / 938,957 / 24,701
17位 台東 / 2.89% / 784,735 / 762,696 / 22,040
16位 文京 / 3.05% / 998,205 / 968,636 / 29,570
15位 北 / 3.60% / 734,581 / 709,034 / 25,547
13位 渋谷 / 3.61% / 1,310,556 1,264,847 / 45,709
13位 荒川 / 3.61% / 681,664 / 657,942 / 23,722
12位 中野 / 4.18% / 879,259 / 843,958 / 35,301
11位 港 / 4.55% / 1,418,465 / 1,356,742 / 61,724
10位 太田 / 4.77% / 821,004 / 783,617 / 37,387
9位 杉並 / 5.43% / 861,008 / 816,680 / 44,328
8位 板橋 / 7.09% / 720,763 / 673,016 / 47,747
7位 練馬 / 8.25% / 737,130 / 680,974 / 56,156
5位 目黒 / 10.49% / 1,157,082 / 1,047,268 / 109,813
6位 江東 / 8.72% / 827,266 / 760,18 / 66,348
4位 足立 / 10.58% / 529,998 / 479,279 / 50,719
3位 江戸川 / 11.07% / 605,493 / 545,133 / 60,360
2位 世田谷 / 11.42% / 946,238 / 849,274 / 96,964
1位 葛飾 / 13.27% / 564,992 / 498,784 / 66,208

差額がマイナスに転じたのは1区のみ

ランキング結果をざっと目を通してみると「駅近のほうが家の価値は高い」という常識の裏付けとなる区は、23区中22区という結果となった。23区中のほとんどの区において、やはり駅近のほうが不動産価値が高くなっている。それでは、今度はもっと細かくランキング上位と下位について深く考査してみよう。特にランキング下位の区では共通して見えてくる特徴があることが考えられる。

ランキング上位5区は1割増し

ランキング上位の区の割増率を見てみよう。上位5区はいずれにおいても10%以上の割増率という結果が出ている。このあたりの区は居住エリアの為、毎日生活の足となる電車を手軽に利用できる駅から「どれだけ近いか」が重要になって来るのである。葛飾区は子育てにとても注力している区であり、子育て世代のファミリー層のニーズが特に多い。毎日の通勤に利用するパパと子供と電車で気軽に出かけたいママの要望が同時に叶えられる、好立地なマンションにとても大きなポイントが集中している。

また目黒区といえば春に目黒川沿いで咲き乱れる桜で有名である。目黒川の桜がマンションの部屋から見れたり、歩いてすぐ行ける場所であったりすれば、それはすなわち駅から近い立地にもなる。そうなると、この目黒区エリアでの不動産価値はぐんと上がるはずである。

なぜ1区だけ?

ランキング結果で期待していたのは、すべての区において差額が生じていることであっただろうが、なぜ千代田区1区のみがマイナスに転じているのだろうか?

おそらくではあるが、千代田区は主にオフィスビルや商業ビルが立ち並ぶ、オフィス・商業エリアだからではないだろうか。そもそもが、駅周辺にマンションが少ないために、このような結果になったのではないだろうか?とは言え、その割増率は-2%程度のためそう大きく問題視する程の事でもなさそうである。

また、ランキング下位をもっとじっくりと見てみよう。20位・21位の品川区・新宿区でも、千代田区と同様のことが言えるのではないだろうか?22位の墨田区の場合は、これも恐らくであるがスカイツリーの影響ではないかと考えられる。駅から近い・遠いにかかわらず、そのマンションの部屋からスカイツリーを望むことができれば、必然的にマンションの価値が上昇する。スカイツリーのおひざ元であるこのエリアでは、余程方向が悪くない限りスカイツリーを望むことができるため、不動産価値のプラスに働いている。

確かに「駅近の方が家の価値は高い」

東京23区「割増率」ランキングにおいて、私たちが暗黙の了解として得ている「駅近の方が家の価値は高い」は、確かに確証のあるものだということが分かった。しかし、一見差額が大きそうに感じられる一部の区では、そう大きな差額は生じないという意外な結果もでた。そもそもの平均㎡単価の高いエリアではあるものの、毎日の通勤ストレスを考えると思い切ってオフィスの近くに引っ越しをするというのもいいかもしれない。(ZUU online 編集部)

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