3月10日、CNBCの番組に出演した米ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏は、米雇用拡大が不安要素を含んでいるとの見解を示した。過剰な追加利上げによる影響も懸念している。

しかしブッシュ元大統領のアドバイザーを務めたエドワード・ラジアー氏は、現在の市場を楽観視するなど、意見は大きくわかれている。

ハチウス氏「利上げによる過剰な市場引き締めは悪影響」

米労働省が発表した2月の新規雇用は23万5000件。19万人という市場予想を大幅に上回る驚異的な数字を記録した米国だが、ハチウス氏は「額面どおりにとってはいけない」と冷静に分析。

10万件の雇用創出となった建設セクターには暖冬が数字を押しあげた可能性が考えられるなど、雇用拡大に最適な環境が追い風となった点を指摘している。さらには「なんらかの押しもどしが今後数か月以内に予想される」との見解を示した。

追加利上げに関しては年内4回も可能であることを認める一方、ゴールドマンの予想は3回にとどまると述べた。ハチウス氏自身は「FED(連邦準備制度)にとって3カ月ごとの調節が心地よい」との印象をうけているが、財政状況などに左右されると見ている。

また「利上げによって市場が過剰に引き締められた場合、ネガティブな影響が現れる」との懸念している。

スタンフォード大学経済学教授、エドワード・ラジアー氏の見解は、はるかに楽観的だ。賃金や労働参加率の上昇などを理由に、労働市場が健全な方向に向かっていると確信している。

景気後退前の数字にはおよばず、2.8%という賃金上昇率もひかえ目ではあるが、「実質賃金や一般的な労働者の生活水準が上昇している」とコメント。回復を加速させるうえで重要となる生産性の低迷が気がかりだが、トランプ政策が成果につながれば改善の糸口となると期待をよせている。(ZUU online 編集部)

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