「車そのものよりも、車から収集できるデータの方が価値が高くなる時代が訪れる」と、一部の専門家は予想している。

今後主流になると期待されている自動運転車は、データなしでは走行不可能な乗り物だ。インターネット上で収集したユーザ情報が企業間で取引きされ、莫大な利益をもたらしていることはGoogleやYouTubeの例を見るまでもない。


ヴォルコウCEO「主な収益源が車本体からデータに移行する」

企業によるユーザ情報の収集は、最早常識の範囲と見なされている。例えばGoogleはおなじみの「Cookie」や「JavaScript」による追跡から、クリック、フォーム入力、サーバーリクエストなどあらゆる手段を用い、検索内容やIPアドレス、関心を示した広告、利用サービスといった各ユーザのデータを収集している。これらのデータが多くの企業にとって「宝の山」であることは周知の事実だ。

自動運転車の本質は「車輪つきの大型コンピュータ」である。Googleは自社の自動運転車がオフラインでも走行可能な点を主張しているが、それでは自動運転車の利点が活かせなくなる。「ネットに接続されていないコンピュータ」では魅力が半減だ。

米データ・ストレージ会社、コフリン・アソシエイツの設立者、トム・コフリン氏によると、「自動運転車は毎秒1ギガバイトのデータを生成できる」そうだ。iPhoneの容量をたった30秒間で一杯にしてしまうのに匹敵する。

イスラエルのスタートアップ、otonomoはすでに車などから収集したデータ提供で利益をあげている企業のひとつだ。これらの情報は駐車アプリの開発などに役立てられているという。ベン・ヴォルコウCEOは「自動車メーカーにとっての収益源は、今後3年以内に車の販売からデータ販売に移行する」と予想している。

米ARKインベストのアナリスト、ターシャ・キーニー氏も、「データが市場を席巻している」と同様の見解を示している。ARKは自動運転タクシー市場が2030年には現在の普通自動車市場の5倍、10兆ドル(約1102兆円)に成長すると見こんでいる。(ZUU online 編集部)

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