これまで世界的な伝説の投資家といえば、米国出身の「投資の神様」のウォーレン・バフェット氏(86)、「イングランド銀行(英国中央銀行)を破綻させた男」のジョージ・ソロス氏(86)、「歴史的大局観のグローバル・マクロ投資法」のジム・ロジャーズ氏(74)などが代表格であった。

いずれも高齢だが、まだまだ現役であることに驚かされる。だが、バフェット氏は後継者への投資権限の委譲をスピードアップしているし、ソロス氏もいったんは引退を表明している。彼らに残された時間は長くない。

そうしたなか、バフェット・ソロス・ロジャーズ並みのリターンを叩き出す次世代のカリスマ投資家は誰なのかという関心が高まっている。まずは旧世代の「すごさ」を改めて振り返り、新世代の有力投資家と比較し、誰が抜きん出ているのかを探ってみよう。

旧世代投資家の伝説的リターンと純資産

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(写真=Kent Sievers/Shutterstock.com)

世界最大の投資会社バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)であるバフェット氏の純資産は650億ドル。優良企業の株価が低迷しているときに大量に仕込み、忍耐強く値上がりを待つ「バリュー投資型」が得意で、倒産寸前の紡績会社バークシャー・ハサウェイを半世紀前に買収し、世界有数の持ち株会社に育てた。

同社のA種株式の価格は買収直後の1965年に一株当たりたった19ドルだったが、今やなんと全米一の約25万ドル、時価総額は4300億ドルを超える「お化け企業」である。

対して、「市場が不透明な時こそ黄金のチャンス」と信じるソロス氏の純資産は290億ドル。「市場は常に間違っている」という信念に基づき、投資家の行動により市場は常に変化し続けるとする「再帰性理論」を唱え、主に通貨投機で儲けてきた。1992年に英国通貨のポンドが急落した際にポンドを売り浴びせ、安くなったところで買い戻して20億ドルと言われる利益を得た。

一方ロジャーズ氏は1970年代、伝説的な米投資会社クォンタム・ファンドにおいてトレーダー役だったソロス氏のアナリスト役を務め、協力して10年の間に驚異の3365%というリターンを叩き出した。単純計算すると100万ドルの元手が10年をかけて3365万ドルに化けたという、それこそ伝説の話である。歴史的な大局観と相場師の野獣的な直観が、そうしたリターンを可能にしている。