米金融会社、Capital Oneと決済産業団体、NAPCPが決済の専門家136人を対象に行った調査から、テクノロジーの進化がもたらした「決済革命」の恩恵が歓迎されている反面、「ブロックチェーンやトークンなど、最新の決済技術に関する知識不足」などが前進の壁になっていることが判明した。

8割がFinTechイベントに自社の専門家を派遣するなどして、情報収集・提供に協力しているものの、実際に新たなテクノロジーを取りいれているのは1割にも満たない。

向上意欲と発展速度は比例せず?

FinTechの跳躍が決済市場に巻き起こした旋風は、業務の効率化やコスト削減など企業の利益創出環境を劇的に向上させると同時に、「急激な成長や変化への対応」という大きな課題を持ちこんだ。

それまでは「決済の専門家」として通用していた知識が、テクノロジーに精通していないというだけで「時代遅れ」と評価される時代に移行しつつある。過酷な革命競争を生きぬく手段として、多数の企業が情報収集や人材育成・確保に本腰をいれ始めた。

その結果「FinTech決済の知識」への需要が高まり、金融機関向けFinTech教育プログラムなどが注目を浴び始めている。回答者の78%以上が「(FinTech決済などの)イベントやカンファレンス」、55%以上が「(FinTech関連などの)教育カンファレンス」に、自社から専門家を派遣しているという。こうした動きはテクノロジーやFinTech決済関連企業にとって、事業拡大につながる新しい潮流だ。

しかし金融機関側の向上意欲と発展速度は比例しておらず、実際に新たなテクノロジーの実験に着手しているのはわずか8%と極端に少ない。10.2%が新たなテクノロジーに投資しており、22.8%が新たなテクノロジーを監視する「機能別委員会」を設けているが、まだまだ十分というにはほど遠い。

決済企業にとっての今後の課題が、組織内における専門知識の豊富な人材確保・教育であることは明白だ。( FinTech online編集部

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