第1四半期の決算にて、前年同期比約60%増の売上高となったバイドゥ。中国で圧倒的シェアを誇るその理由とは?そして、主力のサーチエンジン事業は、今後モバイルに注力するという同社の戦略とは何なのでしょうか?

2014年第1四半期の決算では、売上高95億元(約1560億円)で前年同期比59%増となっています。そして、純利益は25億4000万元(約415億円)で前年同期比24%増と好調です。中国での検索サービスにおいてシェア73%を誇る主力のサーチエンジン事業の好業績に支えられています。好調なバイドゥを支えるものとは何でしょうか。

Googleの独壇場だった検索エンジンで成長出来る要因

バイドゥの主力事業はもちろんサーチエンジン事業です。なぜ同社がこの検索エンジンを主力として前年の6割増しの成長が出来るかと言えば、それは中国のインターネットユーザーが増加していることと、政府が外国のインターネットサービスの参入を規制しているためです。検索エンジンは、インターネットを扱うユーザーであれば誰しもが必要となるサービスです。それ故に、中国のインターネット人口が増えれば増えるほど検索エンジンの利用者も増えていくことになります。現在中国ではPCからモバイルにシフトしていり、モバイルで検索をするアクティブユーザーは1日あたり1億6000万人がいると言います。

本来、ネットの世界では障壁がないので、同じようなインターネットサービスを提供している会社がいたとしたら1社しか生き残れません。まれに同様のプレイヤーが数社存在することもありますが、それでも1位と2位には大きな隔たりがあります。日本国内を見れば分かりますが、検索エンジンとして機能しているのはほとんどGoogleとYahoo!の2社のみですが、日本のYahoo!の検索エンジンの中身はGoogleですから、ほぼGoogle1社の独占状態です。かつてはGooやインフォシークなどのポータルサイト型検索エンジンを提供するプレイヤーが多数いましたが、年月とともにシェアは1社に収斂されていくのです。もしも中国にGoogleが自由に参入することが出来たとしたら、バイドゥが現在のシェアを確保出来ていたかは玉虫色ですが、Googleと中国政府による検閲をめぐる長きに渡る戦いがあった結果、結局Googleは中国市場を諦め、バイドゥが首位に君臨しているのです。Googleが提供するAndoroidPhoneは、GoogleがOSを無償提供する代わりに検索エンジンやメール等のGoogleサービスをデフォルトで入れこむことが条件です。しかし、中国のAndroidデバイスの85%はバイドゥの検索エンジンがデフォルトで設定されており、このあたりからも政治的な何かが感じ取れます。