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NISAは年間100万円までの投資に対する売買益や配当金などで生じる収入が非課税になります。そして、年間100万円の投資や値上り益や配当金は、最大5年間保有しつづけることができ、その間に処分しても非課税です。5年後は、100万円をロールオーバーすることができて、さらに最大5年間保有し続けることができます。つまり、10年間、最大500万円の株式投資の非課税枠を活用できるのです。NISAでは、上場株そのものや債券を全く組み込まない税法上の株式投資信託は銀行では取り扱えないので、それらを運用したい場合は証券会社等でしか口座を開設できません。また、NISAは、少額で長期保有の投資を全体にした制度なので、短期売買には不向きです。個々の株式銘柄ではポートフォリオを組むのも少額なので限界があります。そこで、株式投信(ファンド)にスポットを当てたNISAの活用方法を考えてみます。


インデックス型

NISAは、最大10年間という長期間にわたって投資を行うことに適した制度なので、長期的な視点で収益が見込める商品が適しています。その意味では「インデックス型」のファンド(投資信託)が安心です。これは、ファンドの基準価額が平均株価などの経済指標に連動して値動きするように設計されたファンドで、代表的なものには日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)に連動するファンドがあります。これは、現物銘柄全体を市場の比率でそのままファンドに組み込んでいるとは限りませんので、これらのインデックスと完全に同じ値動きをするというわけではありません。しかしそれに近い値動きや、それを上回る収益性を目指して設計されています。インデックスファンドは、平均的な経済動向と連動する、という大きな特徴があります。国内外の経済状況も長い目で見れば成長していくであろう、という観点では、インデックスファンドは安心な投資先でしょう。また、インデックスファンドは毎月少額から積立投資が可能なものがありますので、毎月一定額をNISA口座で購入することにすれば、値下がりしたときは多くの口数を購入でき、値上がりしたときは高値掴をせずに済み、結果として購入価格が平準化されますので、収益性の面で安心できます。


アクティブ型

経済指標に連動するインデックスファンドは、別名「パッシブファンド」とも呼ばれます(受け身であるという実態はないのですが)。それに対する概念が「アクティブファンド」です。これは、いわゆる「成長株」を探しだして組み込んで、高い収益性を狙おうというものです。低位株や割安感の高い株をあえて組み込むアクティブファンドもあります。しかし経済は時々刻々と変化しますので、成長株が成長を続けるとは限らず、ファンドの構成も変化します。どのようなコンセプトで設計されてるか、上位にはどのような銘柄が組み込まれているのか、運用成績やファンドの資産の推移はどうなのかなどは、目論見書に記載されていますので、複数のファンドを比較検討してみるといいでしょう。ある意味で、インデックスファンドよりも、多様性と特色が豊かなことは確かです。収益性を追求するファンドですが、分散投資されますので、個別銘柄のみを購入するよりはNISAで運用する場合の長期投資に適しているでしょう。


テーマ型

環境、スマートグリッド、TPP戦略株式ファンドなど、注目されている経済動向のテーマに沿った銘柄を組み合わせたファンドです。もちろんこれからの経済成長分野や企業の成長を見込んだファンドなので、アクティブファンドの一種とも言えるでしょう。ユニークな視点で開発されたファンドです。これから、少子高齢化などの社会動向を睨んだファンドがいくつも出てくるかもしれません。「女子力ファンド」などもあり得るでしょう。もし、そうしたファンドが発売されていなくても、自分が関心を持って、成長が見込めると確信した分野や企業にNISA口座で分散投資することにすれば、それはオリジナルなテーマ型ファンドであるとも言えるでしょう。

NISAのデメリットとして最大のものは、非課税口座で損失が発生しても、特定口座や一般口座の利益と損益通算ができないうえ、3年間の繰越控除を利用することができないことです。それを考えると、単一の株式銘柄は、一般口座で運用したほうがいいでしょう。むしろNISAでは、長期保有を前提に、リスクを分散できる株式投資信託を運用するのが適していると言えます。インデックス型とアクティブファンドの組み合わせや、そこにテーマ型ファンドを組み込んでみるなど、無数ともいえるファンドから様々な組み合わせを楽しみながら、あくせくせずに運用するというのが、NISAらしい投資スタイルではないでしょうか。

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