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NISA、少額投資非課税制度という言葉は、最近、テレビや新聞などで、見聞きする機会があるかと思います。NISAは、新たに時限的に実施される投資優遇税制制度です。イギリスのISAを手本としており、日本版ISAとも呼ばれています。NISAでは、株単体と株式投資信託が非課税対象枠とされています。株式投資信託となるといろんなポートフォリオが存在することになりますが、今回は株式型投資信託というものがどういったものなのかを概要から初め、2回に分けて国内型・国外型の具体例を上げて説明していきます。


①NISA(ニーサ/日本版ISA)から見た株式型投資信託とは?

株式型投資信託とは、株式を中心としたポートフォリオの投資信託を指します。そして、株式型投資信託には国内中心型、国外中心型、国内外ミックス型の3種類があります。一般的に、国内中心型は株式型投資信託の中ではリスクとリターンが小さく、国外中心型は逆にリスクとリターンが大きくなります。また、購入する株の種類によって運用の安定度が変わってきます。NISAでは投資信託は主にこの株式型投資信託が対象になります。


②NISA(ニーサ/日本版ISA)から見た株単体と株式型投資信託の比較

株単体と株式型投資信託の違いについて、大きく3点挙げられます。

1つ目は、初期費用です。株単体では、それぞれの企業が発行している最低購入額の倍数で購入することになりますが、一般的には10万円以上になることがしばしばです。
しかし、株式型投資信託では、500円から1万円くらいから1円単位で購入する事が出来ます。したがって、初期費用が少ない人でも気軽に出来るので、給料が出たらコツコツ積み立てで投資するといったことが可能です。

積み立て投資による、いわゆるドル・コスト平均法という最終的な購入額が平均化される効果により、タイミングを気にせず購入することが出来るので、投資初心者が始めやすいものとなっています。また、NISA(ニーサ/日本版ISA)では非課税枠が100万円以内と決まっているため、非課税枠一杯に調整しやすいメリットもあります。

2つ目は、リスクの大きさです。株単体では、購入者自らが運用するため、世界情勢などを逐一収集・解釈し、適切なタイミングで購入・売却を行うことで利益を出します。間違ったタイミングで購入・売却を行うと損益になってしまうため、自身にかかるプレッシャーも大きくなります。しかし、株式型投資信託の場合は、プロが様々な株式にリスクを分散して運用しているため、プレッシャーは小さくて済みます。
また、最悪投資先が倒産した場合も、株単体では資産価値が0になってしまいますが、株式型投資信託では0にはならないため、景気リスクは株単体より小さくなります。

3つ目は、分配金や優待制度です。株単体では定期的に分配金や優待商品を享受することが出来ます。しかし、株式型投資信託では分配金しか享受出来ない代わりに、毎月分配金を享受できるものもあります。好景気のリターンは株単体の方が大きくなる傾向ですが、NISA(ニーサ/日本版ISA)を活用した年金やちょっとしたお小遣いを目的とした場合には、株式型投資信託の方が向いている物が多くなります。


③NISA(ニーサ/日本版ISA)から見た株式型投資信託の種類

株式型投資信託は大きく分けてインデックス型とアクティブ型の2種類があります。

インデックス型は、日経225やTOPIXなどの指数をベンチマークとし、その値動きに連動するようなポートフォリオを持つタイプのものです。全般的にコストも安く、共通の指数をベンチマークとするため、ファンドごとに大きな値動きの違いが無いのが特徴です。
一方アクティブ型は、積極的にベンチマークを上回る成績を目指すように運用するタイプのものです。インデックス型と比較して、それぞれのファンドマネージャーが銘柄を調査・分析して組み入れ銘柄を決定するので、ファンドにより運用成果が大きく分かれるのが特徴です。選択するときは運用レポートなどで期間ごとの成績を比較し検討する必要があります。アクティブ型も細かくすると4タイプに分けることができます。

1つ目は、割安株に注目したバリュー型です。割安型とは、過去に大きく株価が上昇したことがあり、購入時点で大きく転換期まで下落し、上昇傾向にある株の事です。
2つ目は配当金が魅力の好配当型です。好配等とは、今後の配当が好ましいと予測できる銘柄株の事で、将来高配当になるかは確約できないので言葉を分けています。
3つ目は、今後の成長が見込まれる銘柄を集めたグロース型です。好配当型とは違い、将来的に株価の上昇が望める銘柄を選ぶのが特徴です。
4つ目は、テーマ型です。社会的公正性や倫理性、環境への配慮などを組み込んだ企業を中心に投資するタイプのもの、いわゆる社会的責任投資(SRI)や、銘柄の規模別としたタイプのものとなります。

海外中心型の株式型投資信託も国内中心型と大きな分類は同じです。しかし、海外になるとベンチマークとなる指数も、企業も一気に増えるため種類数が一気に増えます。例えば、MSCIコクサイ インデックスは日本を除く世界の主要国23国を対象とした株価指数です。他にも日本を除いた主要国の指数はいくつも存在します。

安定的な資産運用を考えた場合、アクティブ型よりもインデックス型をお勧めします。もしくは、テーマ型のSRIであれば、失敗しても社会貢献したと気持ちになることが出来るため、募金感覚で行う事ができます。また、投資信託が立ち上がる当初募集期間にのみ購入できる単位型のものではなく、原則的に投資信託が運用されている期間中いつでも購入できる追加型でないと積み立て投資ができませんのでご注意ください。

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