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NISA、少額投資非課税制度という言葉は、最近、テレビや新聞などで、見聞きする機会があるかと思います。NISAは、新たに時限的に実施される投資優遇税制制度です。イギリスのISAを手本としており、日本版ISAとも呼ばれています。

今回は前回の株式型投資信託というものがどういったものなのかを解説する記事の続きとして、NISAと関連や、NISA用口座での使い方国内型・国外型の株式型投資信託について、具体例を上げて説明していきます。


①NISA(ニーサ/日本版ISA)で考える国内中心の株式型投資信託の種類と特徴

商品数が数多く存在するため、参考として3つの商品を説明したいと思います。

MHAM株式インデックスファンド225は、日経平均株価指数(日経225)と連動するように日経平均株価に採用されている銘柄の中から200~225銘柄に、原則として50円額面換算で同じ株数になるように投資し、1年間に1回の配当となります。2002年からは1万口につき分配金が15~25円となっています。2013年8月30日現在で基準価格は1万口で2,439円なので、分配金を20円とした場合の利回りは約0.8%となります。順調に運用されれば銀行の定期預金より利回りが良いです。

ダイワ上場投信・TOPIX-17医薬品は、TOPIX-17医薬品指数に連動したもの、6ヶ月毎に配当金が出る商品です。TOPIX-17医薬品指数とは、東証市場第一部に上場している33業種の内17業種に集約した東証業種別指数のTOPIX-17シリーズの一つです。つまり、医薬品を取り扱う企業に特価した投資手法となるため、インデックス型とテーマ型を融合したタイプとなります。TOPIX-17シリーズが2007年から採用されたものであるため、実績機関は短いですが2009年から1口あたり150~170円の分配金となっています。2013年8月30日の基準価額は1口あたり13,001円なので、分配金を160円とした場合の利回りは約2.4%となります。

朝日ライフSRI社会貢献ファンド(愛称:あすのはね)は、テーマ型のSRIで、1年毎に分配金が出るノーロードタイプの商品となっています。中長期的な視点に立って、地球環境や社会的な課題に加えて、企業統治への取り組みなども十分考慮に入れた分析を行い、選別した銘柄を安い株価で買い、価値の成熟と株価の上昇を待つ運用を特徴としております。そのため、分配金は2013年9月と2006年9月の2回しかまだ出ていない状態です。しかし、傾向としては右肩上がりの推移となっており、目標通りに運用されていると考える事ができます。利回りは良くありませんが、社会貢献と投資が初めてという人には、取り掛かり安い商品かもしれません。


②NISA(ニーサ/日本版ISA)で考える海外中心の株式型投資信託の種類と特徴

こちらも同様に、参考となる商品を2つご紹介します。

野村外国株式インデックスファンドは、MSCIKOKUSAI指数(円ベース・為替ヘッジなし)の中長期的な動きを概ね捉える投資成果を目指した商品で、分配金は1年毎となっています。MSCIKOKUSAI指数とは、MSCI Barraが算出・公表しているグローバルな株価指数で、日本を除く先進国(22カ国)の上場企業の内、マーケットで幅広く流通し常に売買されている株式、いわゆる、浮遊株と呼ばれるものをベースに時価総額加重平均方式で算出しているインデックスです。
2003年から1万口あたり5円ずつ分配金が出ていますが、それ以上に2012年5月から2013年5月にかけて基準価格が6000円以上も上がっているのが特徴です。従って、売却益に期待をした方が良い商品となっています。

グローバル公益・インフラ株ファンド(愛称:きらめきセレクト)は、テーマ型のものとなります。3か月毎に分配金が出る商品となっています。世界の公益・インフラ関連企業の株式を実質的な主要投資対象としているため、安定的な資産運用が期待できます。分配金は直近の8期分は1万口あたり60円ずつとなっており、2013年8月30日現在の基準価格は7,392円なので、利回りは約3.2%となります。
2007年に基準価格が4000円以上下がりましたが、現在はほぼ同額程度に回復してきましたので、NISAのような中長期的な資産運用を目的としている場合には適した商品となっているのでは無いでしょうか。


③NISA(ニーサ/日本版ISA)で考える将来的には投資信託から株単体への買い替えも検討

株式型投資信託の概要から始まり、分配金と基準価格、および、それらから割り出した利回りを基に5つの商品の説明をさせて頂きました。分配金が出る商品の方が良いという内容に見えるかもしれません。しかし、一般的には分配金が出ると基準価格が下がるので、その分売却益が下がる事を意味します。
売却して初めて損得が計算出来るので、基準価格の方が分配金よりも重要なファクターとなります。

分配金を全面に出したのは、投資初心者の場合、実益が体感し易い商品の方が投資に興味が出やすいからだと考えられるからです。売却益を重視して考えると、タイミングばかりを考えてしまいNISAの中長期的な期間を待てず、NISAの恩恵を享受出来ない恐れがあります。それならば、あまり売却を気にしないように分配金目当ての商品から取り掛かるのが良いのでは無いでしょうか。

NISAでは非課税枠の5年間が終了したら、株への興味や知識が当初と比較にならないほど向上しているはずなので、次の5年間では投資信託から株単体への買い替えを検討出来ると良いでしょう。個人での運用になるため資産運用は難しくはなりますが、手数料が投資信託に比べてぐっと安くなりますし、小型成長株を株価が急上昇する直前のタイミングで購入することが出来れば、投資信託よりも安定的に運用出来る可能性が高くなります。
また、株単体の場合、企業によっては優待制度があるというのも大きなメリットと言えます。

将来的に株単体の資産運用を行うための勉強期間、および、初期費用準備期間として、NISAでは投資信託をご利用してみては如何でしょうか。

photo credit: oskay via photopin cc

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