アベノミクスの実現は遠い!個人消費は回復どころか下降線をたどっており、夫婦のお小遣いの月間平均は2万5082円と、2007年調査開始以来最低を記録した。これは明治安田生命が20-79歳の既婚男女1618人を対象に4月に行ったネット調査結果である。
夫と妻のランチ格差はさらに拡大して、夫の平均金額704円と横ばいに対して、妻は調査開始以来最高の1204円と、夫の約1.7倍の出費になっていることが分かった。
夫婦のお小遣いは2007年調査開始以来最低額に
明治安田生命は(1)家計管理とお小遣い(2)貯蓄とへそくり(3)お金に関する意識(4)働き方とお金の4点について聞いた。結論から言うと、景気回復の実感がなく、家計に余裕ができたとの回答はわずかに8.0%にとどまった。
「家計管理とお小遣い」については、月に自由に使えるお金(お小遣い)の2万5082円は、昨年より4421円減少した。目減り額は夫の3186円、妻の5632円で、それぞれ31764円、18424円にまで落ち込んだ。日銀が16年2月にマイナス金利を導入したが、その成否のカギを握る個人消費は、この調査結果を見る限り回復への道のりは遠い。
ちなみに夫婦のお小遣いの希望額は、実際の額の平均1万2000円増であった。また、子供(小・中・高校生)に毎月お小遣いをあげる夫婦は55.7%で、その平均額は2730円だった。
家計管理の実態も興味がある。「妻が管理」が65.8%に対して、「夫が管理」は19.1%、「分割管理」が14.3%であり、財務大臣の座は依然として妻が握り続けている。この結果は、夫婦共働きでもほぼ似たような形態である。
へそくり目減り、生活のゆとりなしが増える
「貯蓄とへそくり」については、平均貯蓄額は1274万円。貯蓄の目的は「将来のため」が64.4%と圧倒的で、「教育資金」が26.9%だった。夫婦のへそくりは、20-50代で72万円余りで、前年比17万円目減りした。
「お金に関する意識」では、家計に余裕ができたと回答した人は僅か8%にとどまった。逆に余裕がなくなった人は23%余りもあった。8割以上が、節約意識を持っており、「電気をこまめに消す」「冷暖房の温度を調整する」。男性は「飲み会を減らす」が多く、女性は「クーポンやカードポイントオを活用」など,涙ぐましい努力が目立った。節税対策をしている人が3割近くあり、ふるさと納税や保険商品、NISA活用などがその実態。
そして最後の「働き方とお金」は、現在の給与に満足している人はわずかに14.4%にとどまり、「満足していない」人は54.2%となった。驚くべきことは、低所得を反映しているのか、副業をしている人が12%あり、特に20代男性の4人に1人が「副業している」と答えている。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)
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